2015年12月12日

水墨画プロのテクニック 初心者でもここまで描ける

水墨画プロのテクニック―初心者でもここまで描ける
水墨画プロのテクニック―初心者でもここまで描ける

Excelの時も書いたが、自分は基本教本の類はあんまり読まない。

>世紀末救世主伝説 エクセル関数北斗百列拳 (Gakken Computer Mook) ポチった
http://read.seesaa.net/article/428984678.html

セミナーとか講演見るのは好きだし、そういう席で登壇者に聴かなきゃ解らないであろう質問とかはズバズバする。だが詳しい人に聴けば一番早いのだが万人の時間は限られている。

というか俺の質問に親や教師が碌な正答ができないケースも多かったので(あー今でも、登壇者がぐぬぬ状態になることや、ズバリ聴く内容が詳し過ぎて逆に名刺交換してくれって言われる事も多い。)、ガキの頃から基本は自己解決するのが好きになり、現在では大抵は検索して我流で対応。

だが、これはナンボ検索したりDB参照しても無理っぽいと思ったら書籍を見る。(アナログは検索性に優れない上に、こんななもの金取って売るな!って低レベルのスカも多い現在だとリソース考えてもやりたくない最後の手段。)

だけどなんとなくこれは手に取って良さそうだったのでこうやってレビューもしてる。

何で急に水墨画かっていうと今のシーズンだから年賀状とかそういうのじゃなくて、
そもそも俺は鄭問が好きで東周英雄伝は大型版と文庫版両方持ってる位。

東周英雄伝(1) (モーニングコミックス)
東周英雄伝(1) (モーニングコミックス)

鄭問の水墨画とCGを組み合わせるという技法に学生時代から興味を持っていた。
自分では水彩やペン画に始まり、PC6001のBASICでCG描いたりもやってたが、習字をガキの頃にならってたおかげで墨で絵を描くというのにも慣れていた。

で水墨画をスキャンするのではなくて「CGで水墨画を何処まで表現できるか」ってのも色々試してきた。

古くはPainterやPhotoShopのカスタムブラシから、

Painter 2016
Painter 2016

墨 brush style (design parts collection)
墨 brush style (design parts collection)

SAIやCLIPSTUDIO、FireAlpacaなど色々試してもみるのだが、にじみやかすれになかなか納得が行かない。

ステップアップ式 SAI×Photoshopで描く 背景レッスン ~季節や時の流れを自在に表現する
ステップアップ式 SAI×Photoshopで描く 背景レッスン ~季節や時の流れを自在に表現する

セルシス CLIP STUDIO PAINT EX
セルシス CLIP STUDIO PAINT EX

線画/塗り/ブラシをばっちり解説 ペイントツールFireAlpaca公式ガイド Windows&Mac両対応
線画/塗り/ブラシをばっちり解説 ペイントツールFireAlpaca公式ガイド Windows&Mac両対応

しまいにはCGで納得した再現ができず、間に合わなくては仕方ないので筆ペンでやっつけた事もあった。

ぺんてる 筆ペン ぺんてる筆 中字 黒 XFL2L
ぺんてる 筆ペン ぺんてる筆 中字 黒 XFL2L

しかし、筆ペンもまた水墨画の味を出すのには不十分すぎる。
とはいえ逆にアナログに回帰してみてはたと思ったのが、アナログ側の水墨画側を研究すればCG側に行かせるのではなかろうか?という仮説だ。

そしてこの初心者用教本を手に取ったわけだが、結論から言えばCGのブラシに活かせる要素は無い事が逆に明確化された。

6つの筆法の内、さばき筆についてはブラシを持ちかえれば済む話だが、内脈、片隈、先隈、両隈、元
隈は筆先への薄墨と濃墨の付け方で行う技法なのだと知ったからだ。
どれだけ墨や水を含ませるかというのはCGの色やブラシの持ちかえでは現状再現はできない。
その物理演算だのをCGイラストツールに持ち込む努力をするよりはアナログで描く方が現実的だ。

まあ無理や不可能までは行かないまでも超非効率を合理的に切り捨てる役には多いに立った。

一方で「絵画」の基本内容がCGにも活かせる点が多くそれが収穫だった。

3つのもののレイアウトを主従脇と説明してあったのだが、大友克洋が画集「KABA」で「3つの小石を如何置いた絵を描くかに凄く凝っていた時期があったのだが、結局は目をつぶって背中側に石を放り投げた事に勝てないと悟った」みたいなことを描いていて、あーあれなー、わかるわーと。

大友克洋アートワーク KABA (OTOMO KATSUHIRO ART WORK)
大友克洋アートワーク KABA (OTOMO KATSUHIRO ART WORK)

絵を描くという事を突き詰めれば水墨画だろうがCGだろうが自ずと共通の問題にぶつかる事もあるが、その悩みやブレイクスルーについても応用転用可能なことも当然あるわけだとシミジミ。

川の中にある岩に流れる水ぶつかると流体シミュレーションよろしくこのような流れの方向になってとか、ぶつかった所は軽くよどんで飛沫が立ってとかも水墨画だろうがCGだろうが一緒。

だが「空気を描く」=空白を活かす「描かずして描く」ってのは正に奥義だなと。

リアルな絵で闇雲に画面を埋めてるのを見ると写真でいいじゃんって思うアレだなと。

そして、絵についての「省略」と「誇張」についての再確認も正にその通りだなと。

ラスコーやアルタミラだのの洞窟壁画を手を使って煤という画材で描いていた頃からCGまで、何らかの制限の中で人は絵を描いてきた。そして、画材や条件の中でどのように表現をするかを追求してきたはずだ。

アルタミラ洞窟壁画
アルタミラ洞窟壁画

そして画材や色彩の表現の幅が出来るとともにリアリティの追求に絵画は進むのだが、「写真」というものが現れた途端に絶対に勝てない現実のリアルに対して印象派だの抽象画だので差別化を図った。

そしてCGも最初はドットやワイヤーフレーム、そしてポリゴンとレンダリング、シェーディングを経てまたリアル追求へと進んだ。しかしそれを推し進めた結果はマッドマックスやスターウォーズで「こういうアクションなら実写でいいじゃん」「セットで撮影しよう」にハリウッドもシフトしだしている。

歴史は繰り返すなのだろうが、絵についてもプログラムを同様に動かせば再現できてしまうデジタルだからこそ尚更、画家の技量と差別化で何を生みだして絵だからこそできる「省略」と「誇張」で表現するかという根本が問われ、それが価値になるのだろうと思った。

やさしい水墨画―基本テクニックと作例
やさしい水墨画―基本テクニックと作例

posted by wolf_howling at 06:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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