2016年01月11日

石ノ森章太郎「マンガ世界経済入門」

マンガ世界経済入門 (石ノ森章太郎デジタル大全)
マンガ世界経済入門 (石ノ森章太郎デジタル大全)

1990年12月に出された書籍だが、ベルリンの壁崩壊、 冷戦終結の1989年から20年近く経過してるのに人類何やってんの?って位、アフリカの砂漠化、アマゾンの森林破壊だの当時の問題がなーんも解決してない事が良く解る。というか東欧の章を除いて今読んでもそんなに違和感がない。

西アフリカ・サヘルの砂漠化に挑む―ごみ活用による緑化と飢餓克服、紛争予防
西アフリカ・サヘルの砂漠化に挑む―ごみ活用による緑化と飢餓克服、紛争予防

世界の森林破壊を追う―緑と人の歴史と未来 (朝日選書)
世界の森林破壊を追う―緑と人の歴史と未来 (朝日選書)

でもまあ良くも悪くも所詮マンガ表現+展開でお役人がバトルアクションしたり、コミカルに東欧のコックにこき使われたりはマンガとしてはまあそんなもんだよなとは思う。

一方、作中の解決策らしきものがどれもこれも所詮フィクションすぎてなあ…。
アフリカでメイズ(イギリス語のトウモロコシの事)の代わりに米つくれだの、多分元ネタは作中にも出てくるJICA発案の鵜呑みなんだろうけど、現実はなあ…

>アフリカの稲作の現状と課題
http://www.jiid.or.jp/files/04public/02ardec/ardec38/key_note3.htm

>第1回 えっ、アフリカで米づくり? しかも畑で?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140704/268108/

結局、アフリカはジャングルよりはサバンナや砂漠が多くを占めており、湿地は動物たちの生息域って事もあって水田とかを押し付けようとしても失敗して結局は陸稲って事なんだろ。
この辺、「自分が何が得意」って事だけ考えて相手に押し付けても相手の環境に適わなかったら当然上手く行かないってアタリマエの事だろ。事前調査とか何やってたの?

しかも最後の章は「環境問題」な訳だが10年前の京都議定書を足蹴にしてアメリカやカナダは中途伯耆!当時は後進国を理由にやりたい放題の中国が今更、COP21パリ協定なんて言った所で信用できるかっての!

アル・ゴアが何言おうが、当時お前は不倫豚の副大統領だったろが!どの面下げて。

不都合な真実 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
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元々広域の経済ってのは環境や戦争と和平を除外しては語れないんだよ。

作中でココムだのコメコンだの「あったなあ!」と随分と懐かしい言葉も出てくるんだが、当時の東欧の社会主義の計画生産だの市場統制だのが如何に酷いものだったかを伺わせるトピックスとかも語られてて「出荷する数だけ合わせればいいから腐ってる野菜を市場に出して、マトモなものは闇市に流して私腹を肥やす」「買う側も決まった個数仕入れなきゃいけないから腐った野菜を仕方なく買って潰して畑に撒く」とかそんな無駄と労働意欲の無い状態を繰り返してりゃあそりゃあ国が衰退しない訳がない。

で、このマンガは先頭で述べたように冷戦崩壊後で資本主義というものへの変革を迫られる節目の頃なのでどう変わっていくかって感じでその章は終わるんだが、実際、東欧革命の後はどうなったかというとチェコスロバキアとユーゴスラビアは現在存在しない事でも解るが、ビロード離婚できたチェコとスロバキアに比べ、ユーゴ紛争は10年続いたわけだし。

20年以上前からグローバル化だの言われてたわけだが、人も物も情報も世界で密接に結び付いている。

んで軽はずみに物価上昇なんて安直な目論見で日銀総裁が黒田バーカで自国通貨の価値をドルに対して3分3分の1に下げた所で、OPEC連中が石油をアメリカのシェールへの対抗として売り浴びせ始めればエネルギーコストは下がる訳だからデフレのまま。今まで意図的に税金逃れの損金作ってたトヨタは輸出でボロ儲けして税金を払う事になったが、輸出が伸びない電機系は軒並みガタガタになる。法人税下げた所で太るのは経営に関わってる連中だけで他の社員の給与は増えずインフレにはなりっこない。経理操作含めて意図的に損を作ってるような大企業に対して必要な対策は外形標準課税の推進だが、政治献金という名称の贈賄を受けてる政治家がそれを進める事は見込めない。

FRBだってイエレンが利上げをしてはみたものの予想以上の世界規模での株価暴落で泡食ってるし。

中国は株価暴落を止めようと、売買の強制停止をやったら、それ自体に危機感を感じた株主が余計に売れるうちに手放すようになって暴落に拍車をかけただけ。仕方なく強制終了制度自体を止める結果に。

>取引“強制終了”制度を一旦停止 中国
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20160108-00000007-nnn-int

中国の上海証券取引所などは7日、今年から導入した株価が急変動した場合に取引を強制的に打ち切る制度をいったん停止すると発表した。この制度は、導入4日で2回も取引が打ち切りとなるなど、市場に混乱を招いていた。

 中国の上海と深センの証券取引所で、8日以降の停止が決まったのは「サーキットブレーカー」制度。この制度は、上海と深センに上場する有力企業300の銘柄で構成される指数が、前の日に比べて5%変動した場合、15分間取引を停止、再開後さらに7%まで変動幅が広がった場合、その日の取引を強制的に打ち切るもの。

 去年夏の株価急落を受け、急変動を抑制する目的で今月4日に導入されたが、わずか4営業日で2回も取引が強制終了となる結果となり、「かえって投資家のパニック売りを加速させた」と指摘されていた。

 中国証券監督管理委員会は、停止の理由について「マイナスの影響がプラスの影響よりも大きい」としている。


つまるところ、政府だのの思惑だので経済はコントロールできない!

独裁の強権も、経済学者だのもロクなことはしねえ。

てーと、環境も経済も紛争解決も、個々人が「如何すれば、何が良くなるか」って事を進めて行くしかない訳。
誰の責任にもできないし、社会が悪いだの言っても何も変わらん。自分で何かしらを変えてかない限りは。

マンガ日本経済入門(1) (石ノ森章太郎デジタル大全)
マンガ日本経済入門(1) (石ノ森章太郎デジタル大全)

posted by wolf_howling at 04:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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