2016年03月20日

「ザ・クリミナル 合衆国の陰謀」胸糞だが「匿名性の重要性」について考えさせられる



ケイト・ベッキンセイルやマット・ディロンが出てる。
製作会社が作品完成直後に破産ていう事でプロモもできず埋もれた作品。テレ東の土曜深夜っていう条件でもなければ俺も目にする事は無かっただろう。
だけどこれ知名度さえあればアメリカでは評価されたかも。

ネタバレ嫌いな俺だがラストまであまりにも胸糞な作品なので概要書く。

女性記者が情報提供者を隠避したって事で豚箱にぶち込まれ、FBIによる執拗な心理的圧迫や暴力を受け続け人生を目茶目茶にされる話・・・。

本当にこういう内容なので、リョナ趣味でもある奴以外すすんで観ようとは誰も思わないだろう。

でも、この映画は「実話がベース」になってる。

彼女が何故、情報提供者を話さなかったかってラストまでWikipediaには描かれてるので、興味ある方はそちらをご覧ください。

>ザ・クリミナル 合衆国の陰謀 wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB_%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD%E3%81%AE%E9%99%B0%E8%AC%80

国名とか世相もあってだかそれなりにアレンジされてるが元ネタは、ブッシュ政権が「イラクが大量破壊兵器を保有している」って嘘の言い掛かりをつけて、イラクの人達を大量虐殺、サダム・フセインを処刑し、結果的には混乱状態に陥ったイラクは平和維持とは程遠い状態に放置され、現在ISISが蔓延る暴力支配の恐怖の領域にされた、って「事実」の大元関連。



大量殺戮兵器についての書類は偽造って批判した中東アフリカ問題専門家が、その奥さんがCIAだってばらされた。結局、ブッシュはソースは誤りだったって事にはしたのだがCIAのせいだってので泥仕合になる。
だけど現実側のマスゴミは「情報提供者を保護しようとして」ではなく「大陪審への召還を拒否した事で法廷侮辱罪で収監することにした」点が全く違う。
しかも作品のモデルとなった二人はこの映画のヒロインとは真逆!
監獄行きが嫌で早々にゲロった。男の方は雑誌側のタイムが資料提供。NYTの女記者は自分で公開した。
その為にメディアや記者からは風上にも置けない!って大バッシング食らったって話が「事実」。


この映画は2008年作品で、元ネタの「プレイム事件」は2003年末頃からの捜査経緯で現実側の記者達はそういうものだってのが明快になったので、こうあって欲しいって意図もあったのかもしれないけどフィクションのようには行かんわなあ。むしろ現実側は政府も記者ももっと胸糞だったわけだし。
この映画は制作タイミングが最悪すぎた、プレイム事件判決は2007年6月5日。
偽証だので起訴されたチェイニー副大統領の首席補佐官ルイス・リビーは禁固2年6ヶ月の実刑判決だったのに、ブッシュは大統領権限で執行猶予に減刑ってのがイラクの人々を言いがかりで虐殺した屑共はフィクション以上にクソな結末だった。流石にブッシュは現職大統領の最低支持率記録19%を打ち立て、不支持率も76%となり、次の大統領選ではライバル政党民主党のオバマが勝つ事になる。

日本でも「イラクには大量殺戮兵器ガー」だのクソ首相がぬかして、大量虐殺に1兆2000億円も血税使って加担。
そのバカは北朝鮮に米までくれてやってた。
その頃に小泉支持して投票してた連中には選挙権いらなくね?
そいつらが権利をろくな事に使わない事は既に歴史が表明してる。



日本語吹き替えでは岩男潤子がケイト・ベッキンセイルの悲壮だが芯が通った女記者を、西垣俊作のマット・ディロン演じる残忍で手段を選ばないFBI捜査官をあててるが、観点代えれば双方がやり方が下手って感じ。
フィクション側のソース隠しのオチを観て俺は「偽善シナリオが過ぎるにせよ、ただただ頭が悪い」と思ったのは、これ女の記者は暴露した方が自分に攻撃してきてる悪を徹底して追いつめる事が出来る。そっちの力を使う方が本当のメディアだろ!広めた方が有利な情報を抱え込んで豚箱入って女囚にボコられてとか無意味。しかも早々に通報拡散しとけば人死にだって防げた。
捜査官側は正義感っていうよりただのサディストなのでこいつの行動を録音録画して世間様に判断してもらうってオチもできたはず。監督やシナリオライターがエンタメに不向き。まあ所詮潰れる企業のスタッフって事か。

一方でプレイム事件でCIAってばらされた側が書いた自伝を原作にした2010年作品「フェア・ゲーム」は数々の賞をとり、評価も高かった。同じ事実をテーマにしたにもかかわらず、ここまで評価や結果が違うのはタイミングの問題だけじゃ無く「匿名性の重要性」に加え「表現の自由」を描く事が欠落した側はエンタメでなかったって事も言えそう。

posted by wolf_howling at 08:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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