2016年09月09日

長谷川町子 ―「サザエさん」とともに歩んだ人生 ちくま評伝シリーズ〈ポルトレ〉

長谷川町子 ――「サザエさん」とともに歩んだ人生 ちくま評伝シリーズ〈ポルトレ〉
長谷川町子 ――「サザエさん」とともに歩んだ人生 ちくま評伝シリーズ〈ポルトレ〉

子供をターゲットにしてあるであろう書籍だけど、

>いきさつは第一章で詳しく見た通りです。


とか、時系列含め構成や紹介の仕方がどうかと思う。

長谷川町子が15歳で田河水泡のおしかけ弟子になった事について

>アニメ好きの子供を宮崎駿のアトリエに行かせたり(中略)するようなもの


だの言ってるが、大阪芸大の除籍状態にせよ庵野秀明はナウシカの制作現場に押しかけて巨神兵作画の仕事してたっての。
作家が自分では大げさな比喩をやったつもりで書いてるんだろうけど、無知を露呈してるだけ。

風の谷のナウシカ [DVD]
風の谷のナウシカ [DVD]

田川水泡の家を訪問した際にニキビ顔の若い弟子が応対って、その頃の田河水泡の弟子って「あんみつ姫」描いてた倉金章介だろ。

あんみつ姫 DVD-BOX 2
あんみつ姫 DVD-BOX 2

でも、田河水泡の弟子が倉金章介と長谷川町子しかいないってのも大嘘!
トキワ荘で「キャバキャバ」言ってた森安なおや、

「トキワ荘」無頼派―漫画家・森安なおや伝 併載『赤い自転車』(森安なおや作)
「トキワ荘」無頼派―漫画家・森安なおや伝 併載『赤い自転車』(森安なおや作)

カゲマンの山根青鬼、

名たんていカゲマン 1 (ぴっかぴかコミックス)
名たんていカゲマン 1 (ぴっかぴかコミックス)

そして、のらくろを継承した山根赤鬼を居ない事にするとかありえねえって!素人にしても酷すぎる。

のらくろの川柳まんが
のらくろの川柳まんが

これ書いてる奴、マンガのこと知らなすぎ!

姉の鞠子の師匠、藤島武二の黒扇について

>(インターネットで画像検索してください)


って表記にも驚かされたW。時代を感じつつも、じゃあ書籍の意味は?って。

藤島武二 黒扇 F8 油絵直筆仕上げ| 絵画8号 598×524mm 複製画 ゴールド
藤島武二 黒扇 F8 油絵直筆仕上げ| 絵画8号 598×524mm 複製画 ゴールド

伝記なんだけど、肝心のサザエさんの4コマが引用できなくてだかで粗筋を文章で書いてあるってのも、恐ろしくこの書籍がショボい!って感じさせる十二分な理由になっている。

俺は元ネタの4コマ側を読んで知ってるから「あれな」って想起できるけど、アニメの知名度はまだしも、マンガの方のサザエさんの本を読んだことがある人って20代以下は少ないんじゃない?
むしろネットでヒロポンネタとか描いてあるとかの無断アップロードとかを、まとめサイトで見た事があると家の方じゃないかね?

そして子供が目にする書籍として最悪に酷いのが

>昭和時代には最後までインターネットがなく


とか、トンでもねえ嘘が書いてある。

インターネットってのは1969年にアメリカの大学間を繋いだ段で存在してて、1984年には慶應と東工大と東大が繋がった。
WWWとブラウザは1990年に開発されたので1989年で終わった昭和の後だけど、

>インターネットがなく


なんてのは歴史的に大嘘!!!

書籍は版を重ねない限りは、Webみたいに手軽には修正更新ができねえんだから、
子供に虚偽を広める前に嘘を記載してあるこの書籍は回収すべき。

そして「米を食べるとバカになる」って小麦を売りたいアメリカのプロパガンダの話がちょびっと載ってて、その話題についてサザエさんでもネタにされてたが、長谷川町子について書いてある本の筈なのに彼女の批判的精神とかについては全く書いてない。
キッチンカーの話だけに留めてアメリカの片棒担いだ売国奴どもが居る事については振れてない。

ネットはホントに便利で検索すれば出てくるわけだが

> 米を食べるとバカになる?【仕組まれた食の欧米化(12)】 (4)
http://plaza.rakuten.co.jp/shokuikublog/diary/200808290000/

慶應義塾大学医学部生理学教授の林髞が「頭脳」って本で

>米はうまいだけで生命のためにはたいへんに害がある。


だの書いてたそうだ。

頭脳―才能をひきだす処方箋 (1958年)
頭脳―才能をひきだす処方箋 (1958年)

>小麦食品業界が印刷した『米を食べるとバカになる』というパンフレットは、講演会場で数十万部も配布された


「アメリカ小麦戦略」と日本人の食生活
「アメリカ小麦戦略」と日本人の食生活

そしてサザエさんを掲載していた朝日新聞の天声人語

>天声人語でも食生活改善運動?【仕組まれた食の欧米化(13)】
http://plaza.rakuten.co.jp/shokuikublog/diary/200808300000/

サンゴにKYって傷つける環境破壊ジサクジエンしたり、ニュース番組の解説者としてホラッチョ川上を使ってたようなメディアグループの信憑性なんて半世紀以上前からこのザマだっての。

唯一この本で、これは収穫!って思ったのは、手塚治虫が「ブッダ」でマンガの賞を取った時に

ブッダ全12巻漫画文庫 (潮ビジュアル文庫)
ブッダ全12巻漫画文庫 (潮ビジュアル文庫)

審査員だった長谷川町子が

>「漫画はおかしいことが絶対条件です。」(「オール読物」1975年8月特大号)


って指摘をしたって話で劇画ブームに対抗意識を燃やして重苦しい作品ばっか描くスランプ状態の手塚に対して要は

笑えねえ=「こんなのマンガじゃねえよ」ってマンガの神様とやらをバッサリやったって話だわW

でもまあ長谷川町子の方も「1コマや4コマが漫画の真髄」だのぬかしてたって事はじゃあ師匠の田河水泡をdisってんのか!って事にもなるからなと(苦笑)

滑稽の研究 (講談社学術文庫)
滑稽の研究 (講談社学術文庫)

にしても、この書籍、NHK連続朝ドラマの「マー姉ちゃん」のタイトルも別に伏せなくたっていいんじゃねえの?とかも。

なつかしの昭和テレビ主題歌集 完結編(2)
なつかしの昭和テレビ主題歌集 完結編(2)

これ夏目房之介が巻末エッセイ書いてるけど、編集者の仕事の範疇とはいえ、これだけ出鱈目だらけの本に自分の文章載せられても原稿料なり印税さえ入れば信憑性はどうでもいいのかね漫画批評家?

サザエさん うちあけ話
サザエさん うちあけ話

posted by wolf_howling at 03:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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