2018年11月29日

「ひょうたん」内山まもる

ひょうたん1
ひょうたん1

冒険王の連載を未就学児童時代に読んでた。
とはいっても、連載機関が長いのと毎号買ってたわけでもなかったので、数十年の時を経てストーリーを知る形になった。

個々のトピックスはドラマ的にも結構に引き込みも強くて面白いと思うのだが、まとまりがない。

ホームドラマなのか、学園ドラマなのか、野球漫画なのか、ケンカマンガなのか。
月刊誌とはいえ1974年8月号から1979年7月号までの5年という連載機関の長さもあったせいで、色々とブレてる感が通して読むと猶更なのだが、盛り込んでいる内容が多すぎて逆に散漫な印象をうけてしまう。

背が低くとも気性とケンカの強い主人公は野球がそれなりの技術を持ってるで止めておけばまだいいのに、柔道と空手の心得もあるとか盛り過ぎ。
(とはいえ、野球しているときや、闘っているときのポーズや構図がずば抜けてて、流石は内山まもるってマンガ絵が上手すぎると見惚れる。)

スラムダンクも不良漫画とバスケって二段組みにして、元々は流川楓が主人公だったのを桜木花道を入れて幅を持たせた構成だったのに、多分に最高潮になるのはミッチーが「バスケがしたいです」の辺り。

第27話 バスケがしたいです!
第27話 バスケがしたいです!

番長とかニヒルなライバルっぽいキャラをこの作品も出してるんだけど、主人公とバチバチに長期対立して和解みたいな感じでなくて、一度揉めて友達みたいな感じなんで大昔の連載ものだったせいなのか、月刊誌ペースだったせいなのかなーとか。

というか、キャラクターが多すぎて散漫なんだよなー。

主人公と双子の姉妹。幼児の弟。父親は死去して母子家庭。

そこに野球の監督になる先生が下宿してくる。

主人公は美人の女教師の前でデレデレしているが、委員長ともそれなりに恋愛ぽい雰囲気がある。

野球部キャプテンだった番長。事故でスポーツを辞めた女教師の弟。

野球漫画として方針転換を図ったせいかケンカをしない事も方針に途中から盛り込んだせいか、逆につまらなくなる。
先代番長なんて番長がヌケるときに顔出して来ただけで、女教師の弟と親戚とかってだけで何のバトルもなしに手を引くとか肩透かし。

主人公と言ってもOKな位だった赴任してきた先生も行方不明にしたり、ヒゲ生やしたりとか迷走してる上に、新しい監督登場で盛り上げようとしたのかしらないけど、それもさして引っ張る事無く数回でネタ晴らしして主人公の父親との知り合いとかはまだしも、先生が実はボンボンで、執事の爺さんとその監督が親戚とか、昔は親類だったらなんでも解決かよと。

後半は完全に野球漫画なんだけど、そうなると今度はレギュラーメンバーにスポットが当たるので、
どんどん主人公の影が薄くなる。
更に先生の影は拍車をかけて薄くなる。

主人公をバッターとしての才能側でキャラを立てたせいで、ピッチャーであるハンサムの描かれ方が中盤過ぎてから力が入っている。

ひょうたん4
ひょうたん4

そして、5巻のラストなんだけど、怪我を抱えたままで登板する事になるハンサムは如何に…。

で、最終回!

ひょうたん5
ひょうたん5

いやー、出版社や連載ってものはホントにクソなコンテンツ提供形式のメデイアだなとあらためて思うわけだが。

一応、「冒険王」1979年7月号に最終回が掲載されているのに、単行本として収録していなかったらしい。
無計画な打ち切りだよなー。

ところがWebとかデジタルというものは出版ごときと比べて圧倒的に素晴らしいのが、検索してラストの内容を知る事が出来た!!!

>内山まもる少年野球漫画の世界 - ohshima net
http://ohshima.net/uchuu/uchiyama.html

ハンサムの怪我がどうなったかは解らないけど、多分にこのラストでは苦難の後に事なきを何らかの形で得たのあろう。
それにしても、打ち切りラストらしい後を引く描き方だな。作者の悔しさが伝わるというか。

とはいえ、内山まもるは既に1977年2月からは小学館の学習雑誌で「リトル巨人くん」の連載が始まり。

リトル巨人くん1
リトル巨人くん1

「ひょうたん」が打ち切られた2か月後の1979年9月にはコロコロコミックで「燃えろ!クロパン」の連載が開始されている。

「ひょうたん」を読んで、番長の弟が俊足キャラで、それが「燃えろ!クロパン」の猿飛才助を想起させたし、柔道部主将だった後に野球部に入る三好晴海は、番長を想起させるので、魔球とかはないものの下地となった作品という感じもする。

でも、「燃えろ!クロパン」はそもそも単行本化されておらず、電子書籍でも見る事が出来ない。

>伝説の野球マンガ「燃えろ!クロパン」研究ページ
http://kiokunokasabuta.web.fc2.com/kuropan01.html

小学館も何考えてたんだろうか?

アナログに固執してるようにみえても原稿も作家も大切にしない出版社なんてかえって害悪だよなー。

雑誌の付録型のマンガとかの喪失とか、デジタルでない時代のものが大量消失してる事が逆にまざまざと解るよな!

フェアユースを入れずにTPP鵜呑みで、青空文庫の更新も20年止まるとすれば著作権切れコンテンツの文庫本を売って稼いできてた「出版社」って連中も自分の首を絞める事になるんじゃねえの?

>TPPの影響ってどれくらい?
https://www.aozora.gr.jp/aozorablog/?p=3522

内山先生が亡くなって、まだ10年経たないが、失われてしまったコンテンツを取り戻そうとしても不可能となる事態とかが年数が経てば経つほどに大いに危惧されるわけで、
兎に角、デジタル化してアーカイブして閲覧できる環境を作る!って事が重要。

「ひょうたん」の単行本化されていない、雑誌にしか存在しない最終回に至る経緯側もデジタル化して保存しないと!!!

ハイブリッドカーも無くしてEVにシフトって時代に入ってる事からしても、過渡期に時間をかけると二重化している事での無駄が恐ろしく多いと思う。

いっそ早々に紙媒体と、それにしがみ付く老害企業には消えて貰った方が良いと思う。

ひょうたん2
ひょうたん2

posted by wolf_howling at 05:50 | Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

最近の記事