2019年05月16日

琥珀の望遠鏡 (ライラの冒険シリーズ (3)) (2000年)| フィリップ プルマン

琥珀の望遠鏡 (ライラの冒険シリーズ (3))
琥珀の望遠鏡 (ライラの冒険シリーズ (3))

言ってしまえば、

「ハリポになれなかった小物の嘘吐きと大風呂敷」

って内容だな。

ハリー・ポッターと賢者の石 (吹替版)
ハリー・ポッターと賢者の石 (吹替版)

訳者の大久保寛はハリポよりライラが先で比べられると後書きに書いている、
ライラが出版日1995年7月
ハリポ第1作『賢者の石』執筆終了が1995年だからなあ。

ローリング曰く構想してたのは1990年夏らしいから、
ライラ3部作に7年かけたって自慢気に言われても、それ構想年数でも負けてる。

ハリポが児童書で、ハリポ卒業したらライラだのとかも後書きにあるが、

俺が思うに、1作目レビューエントリにも書いたが
何れも子供向けと言い訳してるだけの幼稚な長話だろと。


>黄金の羅針盤 (ライラの冒険シリーズ (1)) | フィリップ・プルマン
http://read.seesaa.net/article/464195329.html?seesaa_related=category

J・K・ローリングも「大人向け」とした『カジュアル・ベイカンシー 突然の空席』は「魔法は消えた」と辛辣に批評されたし。

カジュアル・ベイカンシー 突然の空席(2枚組) [DVD]
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結局、ハリウッド用にポケモンパクリみたいなつまんねえ新シリーズ書いてるし。

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(吹替版)
ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(吹替版)

フィリップ・プルマンも「お金のために続編を書く気はない」とか言ってたのに、たった3年後に続編の「Lyra's Oxford」を出してる。

Lyra's Oxford: His Dark Materials
Lyra's Oxford: His Dark Materials

まあファンタジー作品って世界観に説得力を出すための嘘吐き技量比べな所があって、フィリップ・プルマンは作品読めば判るけど、それが下手くそ。

今回のレビューは何処がダメかを明確に記すために相当なネタバレも容赦なく書く。

ライラって名前がそもそも「ライアー(嘘吐き)」であることが作中のハーピー達の叫び声から描かれてる。

シロクマ王のイオレクに「シルバータン」とか呼ばせてるけど、嘘を嘘で塗り固めようとして失敗するライラは正にフィリップ・プルマンそのものだ。

あんたのダイモンはワタリガラスじゃなくてミクロヒメカメレオンじゃねえの?

訳者は後書きに「読み進むうちに解き明かされる登場人物の意外な秘密」だの書いてるけど、

これ話を書く前から、ちゃんとキャラクターを立ててないから行き当たりばったりのブレブレな印象しかうけない。

アスリエル卿やコールター夫人が取っている行動が特にブレブレで、しかも優れた人物として盛りたいんだろうけど、「頭良くない作者の描く頭いいキャラ」の法則に全てが当てはまってしまって、残念なドジキャラでしかないのに何故か莫大な資産や、多くの人望を持ってるみたいな御都合描写のイタさだけが出てしまっている。

これ、二人にどういう結末を迎えさせるの?と期待を少しでもするとスゲーガッカリになる。

神の代行者である天使メタトロンと「とっくみあいして落下死亡」。アホかと。

それって天使も弱すぎるし、何で総大将たちが出張って肉弾戦してんだよ。頭悪すぎる。


コールター夫人なんて何回ガキどもに出し抜かれてるんだよ!
ドロンジョ様っぽく見えてくるレベル。

タイムボカンシリーズ ヤッターマン ドロンジョ DESIGN ARRENGED BY 御伽ねこむ 1/4スケール PVC製 塗装済み完成品フィギュア
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何より後書きには「大胆で深淵な無神論的テーマ」だの書かれてるけど、
俺からすればキリスト教の洗脳ってのはかくまで根深い呪いなのかねえと、読めば読むほどに思った。

下手くそな嘘の中でちょっとだけ面白かったのがミュレファ達なんだけど。
頭は角の生えた象みたいな感じ。
無脊椎で菱型(訳者がダメなのはこれをダイアモンド型と書いている)の骨格。菱角のそれぞれに足が生えてて、2つの足で巨大な円盤状の木の実の中心を挟んで車輪とし、他の足で地面をける形で、溶岩の後が舗装したようになってる道を高速走行する生物。

Mulefaで画像検索すると様々なイメージで描かれているけど、2輪車が多いね。種を2個使ってるという描写は全くないんだけど。




むしろ2本の足で円盤状の固い種の真ん中が凹んでいる個所を挟んで、残りの脚で蹴伸びすると書かれてるが、
それなら菱型の四隅に足が生えてると邪魔だろ。少なくとも前足は折れる。
あと背中に人が乗せられる広さがあるそうけど、じゃあ頭は何処に生えてんだよ!
フィリップ プルマンはこういうレベルでイメージする力が弱い。だから嘘も説得力がない。

挟む2本+蹴伸び用の尾が1本あって頭が其れの対になる個所にあれば一輪車として機能する。

俺はパオパオに車輪がついてるイメージで読み進めた。

パオパオダンス
パオパオダンス

で、ミュレファ達は硬質化と軟質化が可能な角や長い鼻を使って、グレーザーという草食動物から搾乳して粉チーズまで作るのだが、

その「草を食む動物」にはダストがないと描写される。その異世界でヒトにあたるミュレファとは違うと区別される。

前置きが随分長くなったがコレは

「ヒト」にだけ魂や霊や、あの世が存在するみたいなキリスト教のもつ生命や動物に対しての軽視、「思いあがり」そのものだ!

「霊長類」「Primates」だの、進化した猿にすぎないものが随分と自分だけを特別扱いするもんだなと。


そもそもライラの世界観のダイモンて設定がキリスト教徒でない側からするとキモチワルイ違和感の塊なのだ。

じゃあ人型のダイモンもいるよな、ヒトは動物だから!と人類が動物の一種に過ぎないというダーウィン進化論以降の知識がある者は普通に考えるだろう。

この作品は無神論どころか、なんらキリスト教という枠の外に出れない洗脳の気持ち悪さだけが全編を貫いている骨子となっている。

>メアリーの世界で遥か昔、地をはっていた生物が何世代にもわたって脊椎を発展させたように


だの書かれてるんだけど。

フィリップ プルマンって元教師だそうだけど、小学校は卒業できてるの?

魚類は脊椎動物だろ!

そも脊索動物にはナメクジウオやホヤも含まれてるっての!

ナメクジウオ―頭索動物の生物学
ナメクジウオ―頭索動物の生物学

ホヤの生物学
ホヤの生物学

ミロクンミンギアやピカイアのダイモンから「ばかじゃねえの?」って思われるぞ、自称「霊長類」

へんな古代生物
へんな古代生物

「ピカイア!」第1巻 [DVD]
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学者キャラだして、知識が小学生以下とか、ホント失笑ものですわー。

知識も無いし、嘘も下手じゃなあ。

ダストはダークマターだーとか書いといて、結局は霊魂みたいなざっくり設定とか馬鹿馬鹿しすぎる。
理解もしてないのに聞きかじりの言葉を使おうとするから嘘に加えて愚かさがにじみ出てしまう。

Newton ダークマター
Newton ダークマター

ゴメス神父ってヒットマンが新キャラとして送り込まれたので、殺伐とした陰鬱な内容に拍車がかかるのか?と思いきや、
人間より肉体が無い分弱い上に天使の中でも強くもないバルサモスに「溺死させられる」。ライフルで撃ったのは鳥だけ。

パンタライモンが死の川を渡る際にダイモンだから先に行けないと置いてこられたのに、
いつの間にか発生してるウィルのダイモンと合流して、更に異世界に辿り着いてる理由についても
「いつか話す」って締めくくって終わり。

お前、「お金のために続編を書く気はない」んじゃなくて「作話能力がねえ」んじゃん。

知識もない、ロジックも無い、嘘も下手、作話もできない。

イギリスじゃあそんなのでも作家として生きていけるんだねえ。


世紀末ってエヴァとかもだけど、こういう「何か設定があるフリだけで、実際は何も考えてない大風呂敷の詐欺」の売り込みがまだ通用したよねえ。

METAL BUILD エヴァンゲリオン初号機 約220mm ダイキャスト&ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア
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ネット時代にハッタリなんて効かねえからな。
俺みたいなのがレビュー書くから。

でも空っぽの作品について考察だのまだやってる連中もいるか。
だけどねえ。流石に嘘に嘘を塗り固めるだけでソースもないものは研究でもなんでもねえし、
口だけで実のない人物は評価下がるだけだと思うんだよねー。

双方、キリスト教ネタって共通点もあるな。

訳者あとがきで、

カトリックヘラルドという宗教誌がこのシリーズを
「焼き捨てるに値する。ハリー・ポッターの百万倍邪悪だ」
って書いたことに触れて、訳者は「ハリー・ポッターの百万倍おもしろいかも?」とか、こんなでよくコピーライターしてたなって下手糞なキャッチ文書いてるし。

ゼロは百万倍してもゼロ。
マイナスは百万倍したらそれだけ最低最悪だっての。

この後書きを書いたのが2002年で「ハリウッドの映画ではどんな曲がつけられrのでしょう。」だの書いてて、その前にジョン・レノンのイマジンに触れてるんだけど、

イマジン:アルティメイト・コレクション(スーパー・デラックス ・エディション)(限定盤)(Blu-ray付) - ジョン・レノン
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蓋開けてみれば、こうなったわなー!

>『ライラの冒険』続編断念に原作者のフィリップ・プルマンが遺憾の意
https://www.cinematoday.jp/news/N0021377

>カトリック系の宗教団体である北米カトリック連盟が、この映画が子どもたちに無神論を勧めているとして、劇場へ行かないよう、またプルマンの原作を読まないようボイコット運動を呼びかけたことから、アメリカでは思ったほど興業成績が伸びなかった。

>北米カトリック連盟は「とても喜ばしい。興業成績が良くなければ続編の製作に影響するとわかっていた」とボイコットの成果を称えている。


結局、オーソリテイに潰される形になったなW

ブルマン自身は7歳で軍人の父親が航空事故で死んだあとは、英国国教会牧師の祖父に育てられたって後書きにあって、色々と宗教に対する反発をしつつもカルトから脱却できない気持ち悪さ背景に非常に納得した。

英国国教会なんてヘンリ8世がキリスト教で禁止されてた離婚がしたくて、自分で新興宗教つくっちまえ!って気持ち悪すぎる背景を原点に持つ宗教だしねえ。

ヘンリ8世の迷宮―イギリスのルネサンス君主 (-)
ヘンリ8世の迷宮―イギリスのルネサンス君主 (-)

訳者も色々とダメなのはアジアの高地っぽい描写がされている舞台で「筆とインク」って書いてたりとかな。
この場合、「筆」なら「墨」だろ。

wikipediaで見るに
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%B9%85%E4%BF%9D%E5%AF%9B

角川のアルテミス・ファウルシリーズとやらが途中で打ち切りとなって、約10年音沙汰ないので、翻訳家としてはもう活動してないのかもね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%86%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA

「アルテミスと妖精の身代金」ってのはディズニー作品として今年の夏に映画公開らしいけど、



クロスメデイア前提での売り込みなら原作モノとして多少は売れるけど、翻訳という地の文単体で勝負したら、魅力ないものは売れないよな。

アルテミス・ファウル 妖精の身代金 (角川文庫)
アルテミス・ファウル 妖精の身代金 (角川文庫)


まあそんな感じで読むだけ時間の無駄な本だが、分厚さを見て逆に闘志が沸いた俺W

小中学生時代は時間がある事にかまえけて広辞苑や「現代用語の基礎知識」を冒頭から通して読むとかやってた俺からすると、

広辞苑 第七版(普通版)
広辞苑 第七版(普通版)

現代用語の基礎知識 2019年版
現代用語の基礎知識 2019年版

読んでてイライラする事以外はそんなでもない分量(苦笑)

琥珀の望遠鏡〈上〉 (ライラの冒険)
琥珀の望遠鏡〈上〉 (ライラの冒険)

琥珀の望遠鏡〈下〉 (ライラの冒険)
琥珀の望遠鏡〈下〉 (ライラの冒険)

posted by wolf_howling at 06:12 | Comment(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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