2019年06月26日

メタ・バロンの一族(上)(下)アレハンドロ・ホドロフスキー / フアン・ヒメネス

メタ・バロンの一族 上 (ShoPro Books)
メタ・バロンの一族 上 (ShoPro Books)

フアン・ヒメネスは、この表紙に使ってる絵とか「クロサワの映画を観て」とか言ってるけど、黒沢明の映画でこんな鎧武者出て来ねえよ。

黒沢明集成
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これMDガイストのパクリだろ。

装鬼兵M.D.ガイスト記録全集 (ビリオンバスター・シリーズ)
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「エルトポ」のアレハンドロ・ホドロフスキー作話で、

エル・トポ(製作40周年デジタルリマスター版)(字幕版)
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メビウス作画の「アンカル」に出てくるメタ・バロンの外伝。

>L'INCAL アンカル (ShoPro Books) アレハンドロ・ホドロフスキー / メビウス
http://read.seesaa.net/article/465952410.html

アンカル
アンカル

アンカルに出てくるメタグライダーもメタ要塞も、皇帝女帝と黄金惑星、黒の衛兵やテクノ教皇。

後付け解説だけど読んでてメタバロン以外も「ああ、こういう設定にしたのか。」って解る。

時系列的にはアンカルの方が後なんだけど、読む順序はアンカルの方を先に読んでおく方が世界観がすんなり掴めると思う。



ホドロフスキーは「アトレイデス」という古代ギリシャ演劇を観て、現代風にしてやると書いて歩けど「その劇って実存するのかね?」

>父称
https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A6%E3%82%B9-26289
>『イリアス』でアガメムノンとメネラオスが,ともに父親の名アトレウスから,アトレイデス (アトレウスの子) と呼ばれている

ので『イリアス』だってのなら解る。

イリアス〈上〉 (岩波文庫)
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アトレイデスはホドロフスキーが映画ポシャらせたデューンにアトレイデス家って出てくるから、そっちの印象での勘違いじゃねえの?

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デューン (字幕版)
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それと、フロイトの子供達とやらの精神分析医が怒り狂うだのも序文で書いてるけど、
精神分析医って倫理や道徳の守護者でもなんでもねえよ無知無学。
むしろ、上辺だけでそういうことを言ってる連中の化けの皮を引っぺがす学問だろうに。

精神分析学入門 (中公文庫プレミアム)
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「サイコパスキャラ達の下品なバンドデシネだね」って、そのままを普通に分析してくれると思う。

とまあ、口の悪い前書きには暴言+知識マウントでカウンターを入れてみもするけど、

下地になってる、ギリシャ悲劇や騎士物語の寄せ集め感もあるけど、それをSFに置き換えているにせよ

密度が濃いとは言えると思う。

アンカルの時もだが、どんどん敵や事件のスケールアップがインフレしていくんだけども、6話目の後半なんて、今のgdgdやってる週刊連載マンガだったら1コマ分で1週間用として使う位に大法螺アイディアは豊富満載。

とはいえスケールのデカいバトルを描くと言っても、1コマ目で説明、2コマ目で決着みたいなやり方がバンドデシネだからか多い。

それとホドロフスキーの法螺も全8話にせよ、やはり4世代は多すぎたんじゃねえのかなーとか。

後半はブシタカやカスタカの掟にせよ「どうせまた」って繰り返しパターンになっちゃうし、
トントとロタールの掛け合いも「あー、これ実はこうなんだろうなー」って思ったらラスト絡みは完全に当たってた。
俺って色々知ってるのと感が良いので、これ位だと超展開とは言えないのよな。

トントって言えばメビウスの絵でのデザインを観た時から思ったけど「宇宙からのメッセージ・銀河大戦」に出てくるトントから名前から形状からパクリすぎだよね(苦笑

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で、フアン・ヒメネスはメビウスが描いたパートを何ページか作画しなおしてるんだけど絵のタッチがなあ…。

比較する程にメビウスは「絵」としての書き込みと省略のバランスが絶妙なんだと改めて感心させられる。

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ホドロフスキーがメビウスは仕事が早くて、フアン・ヒメネスはゆっくりと作業するって書いてるのも、まあそうだろうねと思う位には凄く描きこんでるのも解るけど、写真の模写やギーガー諸々の寄せ集めって印象しか受けないんだよな。

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しかも、ゴチャゴチャ描きこんでる事が汚らしく見えちゃう。
シンプルなメビウスの線画が美しいのに対して気の毒な位に対照的…。

下巻冒頭の5話目でメビウスがシンプルなフォルムラインで美しくデザインしていたメタグライダーにゴテゴテと余計かつ無意味なトゲだかヒレだかみたいなのをつけて汚したのには怒りすら覚えた。

写実的な人物画の顔も目を見開いて叫んでるような表情ばっかり。しかもそういう場面ならまだしも、穏やかな台詞内容を言っている女性の顔が怯え狂って絶叫しているみたいな絵に描かれてると「読解力が無いというか、人の表情の描き分けできないのかな?」とまで思う。

エログロ&バイオレンスがやりたいのかもしれないけど、
「綺麗さ」「生物らしさを理解した上での違和感」「バトル描写」の何れも無くて、ただただ汚らしいだけでは魅力がない。

加えて言わせて貰えば、

小学館集英社プロダクションや、装丁引き受けたデザイン会社にせよ、

下巻の以下にあるみたいな表紙にして売れる?
というか、手に取って中身を見ようと思うか?


しかもこの人物、メタバロン一族と何にも関係ないし!美観とビジネス感覚を疑う。

メタ・バロンの一族 下 (ShoPro Books)
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posted by wolf_howling at 04:50 | Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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