2019年07月14日

『ほしになったりゅうのきば』中国民話 君島 久子 再話  /  赤羽 末吉 画  /  蕭 甘牛 採話

ほしになった りゅうのきば (日本傑作絵本シリーズ)
ほしになった りゅうのきば (日本傑作絵本シリーズ)

流石は君島久子さんは「学者」だね。

「再話」であって「作」ではない所に誠実さと真摯な姿勢が伺える。

なのに売ってるサイトどもの一律的且つ雑な表記ときたら…。

君島久子さんと、赤羽末吉さんのコンビ作品では「王さまと九人のきょうだい」

王さまと九人のきょうだい―中国の民話 (大型絵本 (7))
王さまと九人のきょうだい―中国の民話 (大型絵本 (7))

そして赤羽末吉さんは『スーホの白い馬』の絵でも著名だ。

スーホの白い馬 (日本傑作絵本シリーズ)
スーホの白い馬 (日本傑作絵本シリーズ)

子のないジジババの所に天から降って来た石が割れて中から子供が、というのには桃太郎や西遊記の石猿である孫悟空の誕生を思い浮かべなくもない。

ももたろう (大型絵本)
ももたろう (大型絵本)

西遊記 DVD-BOX 1
西遊記 DVD-BOX 1

唐の玄宗は四海竜王にや北宋の徽宗は五方龍王に称号を贈った位には竜は崇拝されてたけど、元の間を経て後の
西遊記が成立した明の頃には竜の扱いも、英雄の引き立て役になってるので、
多分に竜が退治される設定ということは、明代以降に成立した民話ではなかろうかと雑な推察。

民話伝説の英雄譚にある遠方の賢者に教えを乞う対象が緑の髭の老人とか、
熊王(まあ西遊記の黒風怪みたいな妖怪だろう)の三人娘の末娘を嫁にというのも3回繰り返しパターン。
長女が緑の花と鹿、
次女が青の花と牛、
三女が白い花と羊、
の象徴を従えて降りて来るのは、
自然界と人間社会との距離段階を人が飼いならす事ができない野生動物である鹿から、従順な家畜である羊までで距離感を表しているような気もした。

竜が暴れて破った天を三女は繕う技を持つのだが、必要な道具が釘扱いする竜の牙に、槌にする竜の角となかなかなアイテム材料。
あと、この娘が持ってる材料の牙をいれると尽きなくなる魔法の袋がファンタジーセンスとして凄く良い!

ファンタジーと称しても猿真似みたいなのばっかりだとガッカリな現状だが、
こういう民話絵本読んだ方が長年の多くの人に継承蓄積された物語やアイディアなのでセンスオブワンダーを子供心と共に取り戻せる感がある。

中国民話 ほしになった りゅうのきば
中国民話 ほしになった りゅうのきば

posted by wolf_howling at 06:17 | Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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