2019年10月09日

藤子・F・不二雄大全集 [38] 山びこ剣士 / 竹光一刀流 ほか

読みやすい。台詞が簡潔。児童マンガとして面白い。

藤子・F・不二雄大全集 山びこ剣士/竹光一刀流ほか
藤子・F・不二雄大全集 山びこ剣士/竹光一刀流ほか

1956〜58年作品なのでパッと見に藤子F作品には見えないし、絵柄は古く見える。

手塚フォロワーの藤子Fだが、本作品らのタッチは武内つなよしの赤胴鈴之助(1954年〜1960年)に寄せているのも解る。

赤胴鈴之助 (1)
赤胴鈴之助 (1)


収録作品は剣士ものなのだが、バトルより、時折のコミカルさが光るのと、主人公たちの優しさが感じられる点は正に藤子F作品の持つ味わいな事は確かだ。

「竹光一刀流」
「山びこ剣士」(前/後編)
「海の快剣士」
「電光豆剣士」
「かげろう剣士」
「宝さがし武勇伝」

という時系列収録だが、タイトルにしてある「山びこ剣士」はストーリーもなかなか!
「ゆかい時代まんが」とあるが、瓜二つの少年城主と敵国侍とのドラマは攻城戦についての展開は結構に引き込まれる。
藤子Fが自身を「僕は短編作家」と言っていたのも、大長編ドラえもん等はプロットを描いている途中のアイディアから徐々に外れて行ってしまうのと、あっけない唐突な結末に特徴があるからだろうことが、この作品でも象徴的で、次から次の展開の途中が一番面白くて、読了感は正直イマイチだった。

線の荒れ具合やタッチから、俺は末尾側の方が古い作品かとも思ったのだが、多分に多忙や様々な画風を試していた時期のせいなのだろうか。

武内つなよしだけでなく、福井英一や馬場のぼる、

イガグリくん (漫画名作館)
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馬場のぼる作品集 絵本のしごと 漫画のしごと
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そして寺田ヒロオの影響が感じられる。

スポーツマン金太郎〔完全版〕―第一章―【上】
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寺田ヒロオと言えばトキワ荘で、巻末後書きが、よこたとくお。

電気のひみつ (学研まんが ひみつシリーズ)
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石ノ森章太郎が主宰する漫画研究会「墨汁一滴」の話や、赤塚不二夫との同居。つげ義春との交流からのデビュー。

ペンブックス27 石ノ森章太郎とサイボーグ009 (Pen BOOKS)
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赤塚不二夫が語る64人のマンガ家たち 立東舎文庫
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改訂版 ねじ式 つげ義春作品集
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身の回りの事に無頓着な石ノ森章太郎がトキワ荘で食中毒で倒れて、石ノ森の世話をするために赤塚不二夫がトキワ荘へ引っ越すって、腐女子に聴かせたら薄い本作られそうな位に親友だなこの人達って思ったり。

よこたとくおは鈴木伸一と森安なおやが引っ越した後のトキワ荘に入居。

W藤子不二雄、石森章太郎、赤塚不二夫とのトキワ荘には、つのだじろうや永田竹丸が通い組。

恐怖新聞(1)
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まんが トキワ荘物語(祥伝社新書288)
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よこたは石森、赤塚と仲が良く、(藤子達はやや先輩格)、共に仕事をしたり映画を観たりしたそうだ。

石森の部屋には、手塚治虫が不意に訪ねて来るので緊張した事と、
トキワ荘で「○○氏」と呼び合うのは手塚治虫の呼び方の真似だったとも書いてある。

W藤子不二雄が母親たちを郷里から呼んで同居する話も。

Fの母親は丸っこい方。
Aの方は痩せて物静かな方。
W藤子と正反対だったというのも知らなかった。

その頃のW藤子は近所の兎荘を仕事場としていたが、園山俊二と麻雀をうったりもしたと。

ギャートルズ (1)
ギャートルズ (1)

そして、この後書きでも、藤子Fの簡潔ながら説明が成立している台詞の見事さが絶賛されている。

藤子・F・不二雄大全集 山びこ剣士/竹光一刀流ほか (藤子・F・不二雄大全集 第4期) [ 藤子・F・ 不二雄 ] - 楽天ブックス
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posted by wolf_howling at 20:41 | Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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