2019年11月12日

藤子・F・不二雄大全集 ミラ・クル・1/宙ポコ/宙犬トッピ

藤子・F・不二雄大全集 ミラ・クル・1/宙ポコ/宙犬トッピ
藤子・F・不二雄大全集 ミラ・クル・1/宙ポコ/宙犬トッピ

手塚治虫をdisった編集者が藤子・F・ 不二雄に大激怒され、1週間の出禁になった話は知っていたのだが、
後書きが月刊コロコロコミック初代編集長、千葉和治で、その事を書いていたので編集者が誰だったかが解った。
でも、この文面を読むに千葉和治は「手塚治虫の新人潰し」を批判した事だったらしい。
だとすれば、石ノ森章太郎とのジュン事件を筆頭に「手塚治虫の新人潰し」は事実だから言われても当然だろと。

>「あんなものはマンガじゃない」 手塚治虫が石ノ森章太郎に謝罪した事件の顛末とは!?
https://www.excite.co.jp/news/article/Otapol_201412_post_1269/

ジュン 1: 章太郎のファンタジーワールド ジュン
ジュン 1: 章太郎のファンタジーワールド ジュン

一方で、千葉和治の書いた後書きの信憑性も、藤子Fを持ち上げつつも、打ち切りや、てんとう虫コミックスでは未単行本化という事実側を覆せないので鵜呑みにもできないけど。

コロコロ創刊伝説(1) (てんとう虫コミックス)
コロコロ創刊伝説(1) (てんとう虫コミックス)

(藤子不二雄ランドではミラ・クル・1と宙犬トッピは他作品と合わせる形で単行本化された。)

ミラ・クル・1(ワン) (中公コミックス 藤子不二雄ランド)
ミラ・クル・1(ワン) (中公コミックス 藤子不二雄ランド)

宙犬トッピ (中公コミックス 藤子不二雄ランド)
宙犬トッピ (中公コミックス 藤子不二雄ランド)

サンデーやジャンプの対象年齢層が次第に上がり、児童漫画が軽視されて衰退した事に危機感があった千葉和治と、千葉和治の
>小学生が読む、本当の意味でのまんが雑誌を作りたい!

という言葉に、感激した藤子Fが、自分の全作品の掲載権を預けるとまで言ったコロコロ創刊経緯の一方で、
『ミラ・クル・1』はコロコロの柱の一つとして狙ったものの上手くいかなかった作品というのが事実だろう。

何故ヒットしなかったのかを自分なりに解析してみた。

あとがきに

>子供をバカにしちゃいけない。


とあるが、ハッキリ言ってしまえば、
ミラ・クル・1は藤子・F・不二雄と千葉和治は「子供をバカにしている内容」だ。

何故なら、当時、子供だった俺がコロコロでミラ・クル・1を読んで「この話、見たことある。しかも藤子不二雄作品で…」と思ったからだ。

俺は当時、結果的に打ち切りで最終回になった回を目にしただけだったが、
今、他の初回などを読んでみて即解った。

これは「パジャママン」の焼き直しだ!

パジャママン+きゃぷてんボン+とんでこい ようちえんバス (藤子・F・不二雄大全集)
パジャママン+きゃぷてんボン+とんでこい ようちえんバス (藤子・F・不二雄大全集)

共通点として基本設定が
・超テクノロジを持った宇宙船が遥か昔に地球に墜落
・子供達にスーツにより超人パワーを授ける

これだけならまあ…という感もあるが、ギャグマンガで大切なオチが

・マスコットが主人公が寝ているのを起こそうと勘違いして水をかけ、おねしょをしたと思われた主人公が叱られる
・ドラえもんの『すてきなミイちゃん』や、ベラボー最終回との類似

ドラえもんの恋 すてきなミイちゃん
ドラえもんの恋 すてきなミイちゃん

藤子・F・不二雄大全集 ベラボー: 藤子・F・不二雄大全集 第3期
藤子・F・不二雄大全集 ベラボー: 藤子・F・不二雄大全集 第3期

桃太郎などを寝物語に子供に聴かせたとしても、幼児は自分の知っている話だから楽し気に聴いているかもしれない。
しかし、そのうち子供はそれを「もうその話は知ってる!」と怒り出す筈だ。
小学生になれば幼児時代に読んだのは忘却してるだろうから、また使ってやれ的な作品。あまりに「子供をバカにしている内容」。

さいとう・たかをは鬼平犯科帳の元ネタが被っている事を編集者に指摘して休載となり25年も続いて来た長期連載が途絶えた事件では、
編集者という肩書の奴が如何にイイカゲンな仕事をしていたかと、
83歳のさいとう・たかをの方がそれを覚えていて指摘したという事でプロとして感心された。

>「鬼平犯科帳」が脚本ミスで不掲載 長期連載途切れる
https://www.asahi.com/articles/ASM7W55TSM7WUCVL008.html

千葉和治がマトモに編集者としての仕事をしていたなら、
「藤子先生、焼き直しを子供に読ませるつもりですか?
 これは使い物になりません。没です。
」って言うべきだろ!

パーマンのカメオにしても、時流的にクリストファー・リーヴの1978年版スーパーマンの翌年1979年作品なので、それを匂わせる描写に始まる作品だが、パーマンがオバQ程の大人気作にはならなかったという事実からも逃避しているとしか思えない

スーパーマン アルティメット・コレクターズ・エディション(11枚組) [DVD]
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パーマン (1) (てんとう虫コミックス)
パーマン (1) (てんとう虫コミックス)

オバケのQ太郎 1 (てんとう虫コミックス)
オバケのQ太郎 1 (てんとう虫コミックス)

時流を取り入れようとしつつ過去の栄光や成功パターンにすがっているために全く新機軸になりえていない。

(ジャイアンにあたるパターンいじめっ子キャラをランボーと名付けているが、
シルベスタ・スタローンのランボーは1982年なので無関係。)

ランボー [DVD]
ランボー [DVD]

1983年の宙ポコはコロコロ4代目編集長・黒川和彦が「定本コロコロ爆伝!!」でいうには、藤子Fが「どうしてもドラえもんになってしまう」と苦悩し、たった3回で連載終了となった。

定本コロコロ爆伝!! 1977-2009 ~ 「コロコロコミック」全史
定本コロコロ爆伝!! 1977-2009 ~ 「コロコロコミック」全史

ソールス星人の宙ポコは地球人の子供サイズの恐竜のような宇宙人という設定も、
カメ型宇宙人のベラボーを想起するし、
悲鳴として出した「ピーポコ」という声も「4じげんぼうPポコ」が藤子Fは好きだったんだろうなあとか思う。

モッコロくん 4じげんぼうPポコ パパは天さい!ほか (藤子・F・不二雄大全集)
モッコロくん 4じげんぼうPポコ パパは天さい!ほか (藤子・F・不二雄大全集)

最終回には、ラーメンを食べている小池さんや、しずかちゃんの入浴シーンまで客演させているが、その読者サービスですら、それだけもうネタがない証拠と思え、かえって痛々しく見えてしまった。

小池さん!大集合
小池さん!大集合

ドラえもん 入浴剤 ギフトセット しずかちゃんのラブリータイムバスセット フルーティフローラル の香り OB-SZK-1-2
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最終回はパーマンの客演で始まる。
笹川ひろし総監督のパーマンが放送開始が4月で、この作品の打ち切りが3月発売の4月号というのも悲しいセルフマーケに見える。
藤子Fはパーマンのようなヒーロー&ギャグものに拘りがよっぽどあったのかもしれないが。

パーマン登場!!
パーマン登場!!

そして1984年の宙犬トッピ。
主人公である卓見コー作はキテレツ大百科の木手英一と同じタイプで、ひみつ道具を自作する主人公タイプ。
宇宙犬トッピはハイテクをコー作に教える、つまりはキテレツ大百科役で、二人で作るというスタイルも、何かしらは新しい事をして差別化をという苦心なのだろうが、ドラえもんをキテレツにすれば済むって話でも当然ないだろうと普通なら考えると思う。

キテレツ大百科 (1) (てんとう虫コロコロコミックス)
キテレツ大百科 (1) (てんとう虫コロコロコミックス)

それはタケコプターを、1980年の「のび太の宇宙開拓史」の際に出たアイディアの反重力に変えたりという事でも当然ない。

ドラえもん タケコプター ヘアバンド 黒色(大人用) 藤子・F・不二雄ミュージアム限定
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怪物くんのフランケンを客演するギャグも些細なものだ。

VCD 怪物くん フランケン(ノンスケール PVC製塗装済み完成品)
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最終回も「さようなら、ドラえもん」を知的な主人公のいじめっ子への仕返しに差し替えたもの。

ドラえもん (6) (てんとう虫コミックス)
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しかも、「藤子・F・不二雄大全集 月報16-3」には
『読者対象も従来よりもやや高めの年齢層を意識』としてしまっている。

おいおい!

>小学生が読む、本当の意味でのまんが雑誌を作りたい!


って言って、藤子Fを千葉和治が口説いた筈なのに。

コンセプト自体がブレたら作品もブレブレになるわなー!

千葉和治は、あとがきで

>新作の方向性は先生に一任していました。やはりものすごく独創的な天才なんです。


だの、おべっか言いまくりだが、

要は、編集者が肩書通りの仕事をしていないので、
試行錯誤も藤子Fへの丸投げになった結果の打ち切り3作

という証拠になっちまってるなと。

マシリトクラスは流石に稀だろうけど、

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藤子Fにマトモな担当編集がいたら、これらで恥を晒す事も無く、
更には藤子Fの新しい代表的な良作があったかもしれないと思うと、仕事してない奴らに給料を払った小学館の罪は重いとも言える。

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posted by wolf_howling at 07:09 | Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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