2020年12月20日

ローマ人の物語 (1) ローマは一日にして成らず | 塩野 七生 第2章 共和政ローマ

ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I - 塩野 七生
ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I - 塩野 七生

第一章のレビューでも書いたが

>ローマ人の物語 (1) ローマは一日にして成らず | 塩野 七生 第1章 ローマ誕生
http://read.seesaa.net/article/477721565.html

>非論理が多数みられる人の感想個所はどうでもいい


と、コレに尽きる。

p75 元老院について

>元老院という日本の訳語で連想しがちな、がんこな老人達のあつまりではまったくなかった。


と書きながら、

>新参者に元老院の扉を開くのにも、抵抗感が薄れるということはありはしなかったか。もちろんこれは、史料の裏付けさえない想像である。だが、言葉の力というものも、そうそう馬鹿にしたものではない。


とか数行後に書いてる。

つまり、
1.元老院は老害の閉鎖的集団でないと否定。
2.新人に閉鎖的と妄想。史料がないと捕捉。
3.その上で言葉の意味通り元老院は老人の閉鎖的集団と肯定。

書いてて頭大丈夫か?

コレをそのまま掲載してる新潮社の編集者の頭も大丈夫か?


P92
>トロイと同じにシュリーマンによって遺跡が発掘。


幾ら古い本だとはいえ、2007年頃にはハインリヒ・シュリーマンは遺跡破壊者だと既に有名で、トロイと同時代の遺跡を壊してその下まで掘った歴史知識に乏しい山師だとか常識だろ!

そもそもシュリーマンが発掘した遺跡はトロイなのかすら疑わしい。

トロイアの真実―アナトリアの発掘現場からシュリーマンの実像を踏査する - 大村 幸弘, 次郷, 大村
トロイアの真実―アナトリアの発掘現場からシュリーマンの実像を踏査する - 大村 幸弘, 次郷, 大村

2章に至っては、ネタの水増しだろうか、タイトルにすら偽りアリなレベルでローマでなくギリシアについて延々と書かれている。

説明に必要と言い訳があるが、それにしたって要点をかいつまんでいる感じでもなく、手当たり次第に引っ張ってきては写してる感が酷い。

P119のペルシャ戦役においては

>ローマ人は一人も登場しないが


とまで自分で書いてる。

そして

P140には

>確実な史料の裏付けがなければとりあげることの許されない学者や研究者とちがって、私たちはシロウトである。


「私たち」って誰のどの範囲だよ!

しかも「私たち」って事は筆者である塩野七生だけは確実に含まれる訳だよな。

シロウトと自称する人物は代価をとって良いレベルなのか?

下手糞な逃げ口上の挙句、自分でプロであることを否定しちゃってるのをそのまま掲載って、
作家じゃない人と編集者じゃない人が書籍を世に送り出して金取ってるの?

P189

>古代ローマの通史を物語る歴史書となると、一つの例外もなく、王政から共和制に移行したとたんに、共和制ローマの政治システムについての説明が、親切なものなら図表入りでなされるのが通例になっている。
>だが、私はあえて、この方法をとらなかった。


じゃあ数ページ後のP192の「共和制ローマの政治制度って図」は何だよ!!!

何より酷いのが、この文章より前のP141に王政ローマと共和制ローマの図が先述掲載されている。

何の見栄だったのかは知らんがコレ、やってる事は、
自分で嘘吐きって証明しちゃってるわ。

P226

>歴史では「イフ」は禁句とされている。


P227

>古代でも、歴史叙述に「もしも」は禁句であった。


と書きながら、

アレクサンダー大王VSローマについて何ページも割いている。

塩野曰くのリヴィウス、一般的にはリウィウスは、ローママンセーのポエマーだけあって、自国が負けるなどと書く筈も無い。

ローマ建国史〈上〉 (岩波文庫) - リーウィウス, 一州, 鈴木
ローマ建国史〈上〉 (岩波文庫) - リーウィウス, 一州, 鈴木

挙句は塩野がピックアップして挙げているリヴィウス曰くの理由が

1,アレクサンダーは若くして死んだから過大評価されている。ローマには優れた指揮官が12人いる

2.ローマ兵の士気が高い

3.ペルシャやインドの兵は軟弱

4.ローマでは一人の戦士の死は国家の損失には結びつかない

5.ファランクスよりレギオンの方が柔軟

6.ローマの戦闘の敗北は敗戦に繋がらない

客観性や論理性があるマトモな理由が一つもない!!
精神論キチガイの戯言だろこれ!!!


そんなにアレクサンダー大王時代のローマが優れてたのなら、
マケドニアもペルシャもインドも当時のローマが征服してなければおかしいことになるって、普通の脳みそ持ってる人間ならツッコミ入れるわバーカ。
しかもアレクサンダーが遠征先で死んだ後になって、ケルトに負けて首都乗っ取られて焼かれたのがローマだろ。
ケルトは身代金でローマを返してくれたが、
ダレイオスのペルシャを滅ぼしたアレキサンダーの残党達ディアドコイは個別にエジプト、シリアなどを駐留支配した。
つまりはローマ側にアレクサンダーが来てたらお前らは解放される事無く支配され続けた筈。
狂人の妄言と違って、俺の論拠は史実の結果からだ!!!

アレクサンダー大王:未完の世界帝国 (「知の再発見」双書) - ピエール ブリアン, 素子, 福田, 万里子, 桜井
アレクサンダー大王:未完の世界帝国 (「知の再発見」双書) - ピエール ブリアン, 素子, 福田, 万里子, 桜井

『ローマ建国史』と称しながら、ピクトルらの歴史著作を元ネタとして、物語やデタラメな夢想を織り交ぜ、ダラダラと歴史モドキを書くリウィウスの手法って誰かさんそっくりな気がするわー。

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫) - 七生, 塩野
ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫) - 七生, 塩野

posted by wolf_howling at 12:26 | Comment(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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