2019年07月30日

「妖精ディックのたたかい」とホブゴブリンの謎

妖精ディックのたたかい
妖精ディックのたたかい

変な縁でというか、古いアニソン集アルバムを聴いてるうちに「妖精ディック」なるアニメがある事を今更知る。

1992年にNHKのBSで放送されていたもので、中尾隆盛さんが主役のディック役でOPも歌っている。

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で、どんな作品って検索したらキャサリン・ブリッグズが原作じゃん!と。

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=235580

キャサリン・ブリッグズといえば妖精辞典。
なので読んでみたのだが、俺は今回の順についてはラッキーだったなと。

妖精事典
妖精事典

アニメは瑞鷹が元受けでグルーパープロダクション制作だったのだが、グルーパープロダクションは稲中アニメ版を創った翌年に解散してる。

放送開始20周年記念企画 行け!稲中卓球部 DVD-BOX デジタルリマスター版【想い出のアニメライブラリー 第57集】
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そのせいか、「妖精ディック」は板にもなってない様子。

何故かスペイン語版がYoutubeにUPされてた。てことは海外版も創られてるし、ある程度は視聴されてるって証拠だよね?



でも映像を観るに、名作劇場やディズニー風の寄せ集めっぽいアニメにしてるけど、本当のこの作品の魅力は其処じゃないのよなーって原作読んでから映像観たから思った。
でもまあ、パッと見で、どのキャラだか判別付く位にはキャラデはできてるんだけど、
もうちょっと妖精ってのは怪しい=暗さが必要な存在なのよなーと。

何で今回目にした順がラッキーだったかというと、俺が妖精辞典を読んだのも数十年前だが、その下地での妖精知識やイングランドについての歴史知識が無いと、妖精ディックの良さは10分の1も解らないと思う。

俺は巻末解説を気にしないでも読める位には、清教徒と戦争ってキーワードがあれば、クロムウェルが暴れた頃の時代だと解るし、

クロムウェル [DVD]
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妖精に化かされて迷った際には洋服を裏返しにするのは、日本の夜行さんに会った時に頭に草履を乗せる系の逆転系まじないだとも知ってる。

やのまん 水木しげる妖怪フィギュアコレクション 大百怪 第一巻 夜行さん(ブロンズカラーバージョン)【単品】
やのまん 水木しげる妖怪フィギュアコレクション 大百怪 第一巻 夜行さん(ブロンズカラーバージョン)【単品】

この作品を読みはじめて先ず感じた懐かしさは、松谷みよ子の民話知識を元にした創作である「龍の子太郎」や「まえがみ太郎」の良さを感じさせたのだ。

龍の子太郎 [DVD]
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まえがみ太郎 (偕成社のAシリーズ 1)
まえがみ太郎 (偕成社のAシリーズ 1)

民話は多くの人の語り継ぎによるソーシャルフィルタリングを行われたものであり、それを繋げている創作は良いとこどりの物語になるからだ。

妖精物語という面もありながら、どちらかというと17世紀中頃のイングランドでの生活を感じさせるファミリードラマでもある。

時代は全然ちがうけど、実写化するならダウントンアビーみたいな風にもできる。

ダウントン・アビー シーズン1 ブルーレイ バリューパック [Blu-ray]
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ロンドンに住んでいた者は妖精のまじないを気にしないとか、清教徒は賑やかにクリスマスを祝わないとか。
何より、ブリッグズが描きたかったのは当時の女性の生活ではなかろうかなと。
それには服を泥だらけにする御転婆な女の子たちに始まり、貴婦人やメイド、継母や姑、そして悪役である魔女の扱われ方まで含んでいるとも思う。
確かにキャラクターの中には、優しいのや正直者とか明白に役割が出ている者達もいるが、大抵のキャラは失敗も色々とするし、意地が悪い所があるように見えて、その言動も心の弱さや寂しさ、悲しみなどから来ている行動のようにも思える所が印象深い。

言うなれば成り上がりのロンドンから来た商人が郊外に家を買って農場経営をする家庭には、農夫たち使用人が色々いるわけで、
この本が書かれた87年には下働きや下女って書かれ方がメイド達もされている。

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その頃の日本はバブルだったんだけど、メイド喫茶なんてライトな水商売とかは電気街だったアキバでも幅聴かせてなんてなかったからねえ。

バブルと言えば気になるのがこの本の装丁。
エントリ最上部に貼りつけてある表紙イメージを見て貰えれば一目瞭然だが「地味!」
しかも、本文読んでいれば「ああ、このシーンか」って解るけど、この絵だけ見せられたら何が何やらだろ。
挿絵含め起用する版画師について口出した翻訳者の山内玲子と岩波書店の編集者は「本を売る気あんのか?」と。

グッバイ・クリストファー・ロビン:『クマのプーさん』の知られざる真実
グッバイ・クリストファー・ロビン:『クマのプーさん』の知られざる真実

加えて翻訳についても色々と言わせて貰う。

まずタイトル!

原題は「Hobberdy Dick」まあこれだけだと日本人には何が何やらだわな。
でも「たたかい」って要るか?

岩波が全然戦争してないのに「ゲド戦記」ってタイトル詐欺で売ったパターンを模倣してるように感じて双方とも不愉快な題名改悪だ。

ゲド戦記(6点6冊セット) (岩波少年文庫)
ゲド戦記(6点6冊セット) (岩波少年文庫)

3章目冒頭の「ロビングッドフェローの一生」の詩で「パッチ」って書いてある。
これ、どうしたってPuck「パック」の間違いだろ!ロビン・グッドフェローってパックの事だし。
しかも6章目のニンフィデイァ引用側では「パック」って書いてある!

魔女が列挙する悪魔でサタネル、アザゼル、バルゼバブって書き方はまあいいとしよう。
でも、大魔王とされてるラダマンサスって、多分にRhadamanthusとラテン語表記で書いてあるんだろうけど、日本人が耳慣れてる方を出すとしたらギリシャ語のラダマンテュスじゃねえの?

聖闘士聖衣神話EX ワイバーンラダマンティス
聖闘士聖衣神話EX ワイバーンラダマンティス

これギリシャ神話知ってれば兄のミーノースと共に冥界裁判官をやってるのがラダマンテュスなので、大魔王扱いとはキリスト教圏では随分と魔界での出世をしたもんだなと思ったW

神曲 地獄篇 (河出文庫 タ 2-1)
神曲 地獄篇 (河出文庫 タ 2-1)

まあ失楽園だと、エジプト最高神のオシリスとイシスも万魔殿のメンバー入りしてたりだからなあ。

失楽園 上 (岩波文庫 赤 206-2)
失楽園 上 (岩波文庫 赤 206-2)

ゼロからわかるエジプト神話
ゼロからわかるエジプト神話

だけど、訳者あとがきに

>ブラウニーとかホブとか呼ばれる古い家に住みつく家つき妖精


って一文があって、コレがキャサリン・ブリッグズから得た知識なら、凄い価値がある!

というのも、コレで俺が数十年疑問に思ってた「ホブゴブリン」の謎が解けたからだ!

TRPGのD&D以降、「ホブゴブリン」というのはゴブリンの大型種モンスターとして扱われて来た。

ダンジョンズ&ドラゴンズ プレイヤーズ・ハンドブック第5版
ダンジョンズ&ドラゴンズ プレイヤーズ・ハンドブック第5版

俺はゴブリンは小鬼と解るけど、ホブって何だよ?とずっと思ってきた。

妖精辞典のホブゴブリン項目には「田舎のゴブリン」みたいな説明がされており、
じゃあホブってのは田舎の意味か?って思ってたのだ。

主人公のホバディ・ディックの名称についても

>ホバディは「ホブ」を踏まえて作者がつけた名前です。


とまであるから、これは非常に確証が高いと思われる。

家つき妖精はハリポのドビーで日本人にも知名度がある存在にも多少はなっただろうけど、俺は「屋敷しもべ妖精」ってクソみたいな翻訳も大嫌い。

エクスプラス スターエース トイズ マイ フェイバリット ムービー シリーズ ハリー・ポッターと秘密の部屋 ドビー 1/6 スケール 塗装済み 可動フィギュア
エクスプラス スターエース トイズ マイ フェイバリット ムービー シリーズ ハリー・ポッターと秘密の部屋 ドビー 1/6 スケール 塗装済み 可動フィギュア

妖精ブラウニーの伝承がメインだろうことは早々に判読できたので、ラストも察しがついたりもしてしまったが。

俺がこの本の中で一番良いと思ったのはグリム爺さん。
他の数百年生きてる妖精から見ても耄碌してる存在なんだけど、
いざという時は古代神だった事を思い出しで黒犬の姿を取った。
これって「ブラックドッグ」、黒妖犬という黒いムク犬妖精の事でヘルハウンドとして恐れられてた妖怪なのな。
ホームズの「バスカヴィル家の犬」とかもそういう魔犬伝承が下地。

シャーロック・ホームズ バスカヴィル家の犬 [DVD]
シャーロック・ホームズ バスカヴィル家の犬 [DVD]

グリムって名前のゴブリンは彼方此方の伝承にも出てくるので、最初は気にして無かっただけに、
グリムって名前の黒犬だけは迷子を助けたりする善良な存在との妖精辞典の記述を思い出して、
「おお!そうだった!」って、
爺さんが奮い立ったタイミングに、その記述の記憶が蘇った感覚を俺の側も得たのが個人的に楽しかった。

なので、妖精学や歴史を知ってる方が読んでて面白いと思う。
童話だから子供に読ませておけ的な状態だと、ピューリタンが何かとか、イースターに何の意味がとかは逆にピンと来ないまま読了してしまうと思う。

キャサリン・ブリッグズの児童書で邦訳されているのはもう1つだけなので、「魔女とふたりのケイト」という作品も目にしてみようかと思う。

魔女とふたりのケイト
魔女とふたりのケイト

posted by wolf_howling at 06:49 | Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月14日

「ドラゴンのお医者さん」  パトリシア・バルデス 文

ドラゴンのお医者さん ジョーン・プロクター は虫類を愛した女性 (世界をみちびいた知られざる女性たち (1))
ドラゴンのお医者さん ジョーン・プロクター は虫類を愛した女性 (世界をみちびいた知られざる女性たち (1))

ファンタジーもの?かと思いきや、手に取ってみたら

>ジョーン・プロクター は虫類を愛した女性 (世界をみちびいた知られざる女性たち (1))


だそうだが、

別の意味でフィクションがすぎねえか?って思う位には

酷すぎる絵本だった!

動物園の学芸員が34歳で死んだら
「それが女性だったから持ち上げる」とか、逆におかしくねえか?

差別反対、公平平等にってのならリケジョとか言って特別扱いする方が変だと思うわ。

捏造の科学者 STAP細胞事件 (文春文庫)
捏造の科学者 STAP細胞事件 (文春文庫)

子供の頃から人形遊びより爬虫類が好き。
って、そういう子がいたから別になんだっての?

かえって「女の子だから人形遊びが一般的なのにー」みたいなレッテル貼りの差別描写をしてるんじゃねえか!
逆にステロタイプを意識した気持ち悪さを凄く感じる。


それってこないだ炎上したコイツみたいな「普通は」だのって差別思想の持主なんじゃないの?







当然の如く大炎症して、公式系からも批判されてた位。




この本も
「女の子」「人形」「爬虫類」に関して、何が普通で何が変わってるみたいな描き方してる段で、冒頭からアウト。


しかも
ワニをペットにして連れまわしたとか、
コモドドラゴンをわざわざイギリスに攫ってきて、その横で茶を飲んでみせたとか、
自慢事みたいに書いてるが、

爬虫類を利用した「ただの目立ちたがり」じゃねえか!学術関係ねえ!!


本当にその生物が好きで大切に思うのなら、
街の中を連れまわしたりしないで自然のままで暮らさせるし、
絶滅危惧種をコモド島からロンドンに連れてきたりしねえよ!


自分がコモド島に移住して生涯を研究しながら暮らしたとかなら兎も角よー。

マウンテンゴリラの生態調査してルワンダで亡くなったダイアン・フォッシーみたいにさ。

動物研究者ダイアン・フォッシー (こんな生き方がしたい)
動物研究者ダイアン・フォッシー (こんな生き方がしたい)

この本が一番酷いのはコモドドラゴンは大人しくて安全みたいなを子供に向けて書いている事。

コモドオオトカゲは日本では法律上「特定動物」
「人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがある動物として政令で定められる動物種」
だ。

魅惑の特定動物 完全飼育バイブル
魅惑の特定動物 完全飼育バイブル

>コモドオオトカゲ、果物狩りに来た男性を襲い死亡させる(インドネシア)
http://karapaia.com/archives/51385324.html

>コモドオオトカゲ、外国人観光客を襲う インドネシア
https://www.afpbb.com/articles/-/3127309

>外国人観光客がコモドオオトカゲに襲われたのは、1人が襲われて死亡した1974年以来のこと。同公園によると1974年以降30人がコモドオオトカゲにかまれ、うち5人が死亡している。


コモドドラゴンの牙にはヘモトキシンという毒もあり血液凝固を阻害し、出血が長時間に渡れば失血ショックを起こす。

毒牙と爪、そして尾の一撃で家畜をも狩り殺す生物の近くにわざわざ人間が近づいて何か事故が起きた場合は、コモドドラゴンにとっての酷い事態でしかない!


そして何より、
この生物の最大の悲劇は「人間共」による密漁で数が大きく減少してしまっている事だ。

>人を襲う「生きた恐竜」の島閉鎖 インドネシア、ドラゴンとともに観光収入も絶滅回避へ
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/04/post-12051_2.php
>相次ぐ密輸事件が個体数減少に拍車


つまりは、
ジョーン・プロクターみたいにコモド島から持ち出したがるような酷い奴らが絶滅した方がコモドドラゴンは救われるのだ!

ソフビトイボックス 005 コモドドラゴン コモドオオトカゲ ノンスケール製塗装済み可動ソフビフィギュア
ソフビトイボックス 005 コモドドラゴン コモドオオトカゲ ノンスケール製塗装済み可動ソフビフィギュア

posted by wolf_howling at 07:28 | Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「はんぶんのおんどり」ジャンヌ・ロッシュ・ マゾン作

新装版はんぶんのおんどり
新装版はんぶんのおんどり

これはロシア昔話風に見えるが、ジャンヌ・ロッシュ=マゾンというフランス人の創作。

おそうじを おぼえたがらないリスのゲルランゲ (世界傑作童話シリーズ)
おそうじを おぼえたがらないリスのゲルランゲ (世界傑作童話シリーズ)

けっこんをしたがらないリスのゲルランゲ (世界傑作童話シリーズ)
けっこんをしたがらないリスのゲルランゲ (世界傑作童話シリーズ)

トルストイの「イワンのばか」や、シャルル・ペローの「長靴をはいた猫」のパクリに、
多少精霊魔法風なアニミズムギミックを組み合わせてる。

けど、財産をほぼ独占した兄は罰せられず、ケチな独裁者の王様も、その後どうしたの?って子供でも思う筈。

パクリの上に劣化版の駄作。


元ネタ側がオススメ!

イワンのばか (岩波少年文庫)
イワンのばか (岩波少年文庫)

長ぐつをはいたねこ (世界傑作絵本シリーズ)
長ぐつをはいたねこ (世界傑作絵本シリーズ)

posted by wolf_howling at 06:33 | Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ほしになったりゅうのきば』中国民話 君島 久子 再話  /  赤羽 末吉 画  /  蕭 甘牛 採話

ほしになった りゅうのきば (日本傑作絵本シリーズ)
ほしになった りゅうのきば (日本傑作絵本シリーズ)

流石は君島久子さんは「学者」だね。

「再話」であって「作」ではない所に誠実さと真摯な姿勢が伺える。

なのに売ってるサイトどもの一律的且つ雑な表記ときたら…。

君島久子さんと、赤羽末吉さんのコンビ作品では「王さまと九人のきょうだい」

王さまと九人のきょうだい―中国の民話 (大型絵本 (7))
王さまと九人のきょうだい―中国の民話 (大型絵本 (7))

そして赤羽末吉さんは『スーホの白い馬』の絵でも著名だ。

スーホの白い馬 (日本傑作絵本シリーズ)
スーホの白い馬 (日本傑作絵本シリーズ)

子のないジジババの所に天から降って来た石が割れて中から子供が、というのには桃太郎や西遊記の石猿である孫悟空の誕生を思い浮かべなくもない。

ももたろう (大型絵本)
ももたろう (大型絵本)

西遊記 DVD-BOX 1
西遊記 DVD-BOX 1

唐の玄宗は四海竜王にや北宋の徽宗は五方龍王に称号を贈った位には竜は崇拝されてたけど、元の間を経て後の
西遊記が成立した明の頃には竜の扱いも、英雄の引き立て役になってるので、
多分に竜が退治される設定ということは、明代以降に成立した民話ではなかろうかと雑な推察。

民話伝説の英雄譚にある遠方の賢者に教えを乞う対象が緑の髭の老人とか、
熊王(まあ西遊記の黒風怪みたいな妖怪だろう)の三人娘の末娘を嫁にというのも3回繰り返しパターン。
長女が緑の花と鹿、
次女が青の花と牛、
三女が白い花と羊、
の象徴を従えて降りて来るのは、
自然界と人間社会との距離段階を人が飼いならす事ができない野生動物である鹿から、従順な家畜である羊までで距離感を表しているような気もした。

竜が暴れて破った天を三女は繕う技を持つのだが、必要な道具が釘扱いする竜の牙に、槌にする竜の角となかなかなアイテム材料。
あと、この娘が持ってる材料の牙をいれると尽きなくなる魔法の袋がファンタジーセンスとして凄く良い!

ファンタジーと称しても猿真似みたいなのばっかりだとガッカリな現状だが、
こういう民話絵本読んだ方が長年の多くの人に継承蓄積された物語やアイディアなのでセンスオブワンダーを子供心と共に取り戻せる感がある。

中国民話 ほしになった りゅうのきば
中国民話 ほしになった りゅうのきば

posted by wolf_howling at 06:17 | Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「南の海で楽しいバカンス」トーベ・ヤンソン原作のフィルムコミック風絵本

南の海で楽しいバカンス (単行本)
南の海で楽しいバカンス (単行本)

こりゃあ酷い。

コレ、Amazonも

>トーベ ヤンソン(著)


だの書いてるけど、
これ要は「アニメ映画のフィルムコミックス風絵本」じゃねえか!

書籍には

>トーベ・ヤンソン 原作


と表紙にあり、

奥付に

作者 ハンナ・ヘミラ+カタリーナ・ヘイララ


ともある。

これ映画監督と、文章を書いた人の名前じゃねえか!



そして、

ヤンソン紹介と翻訳者、監修者の肩書の下にちっちゃく

>本書はトーベ・ヤンソンの「南の島へくりだそう」ムーミン・コミックス第10巻『春の気分』富原真弓訳、筑摩書房、所収)を原作にしたフィンランドのアニメ映画「南の海で楽しいバカンス」の絵本版です。


とか書いてある。

書籍概要に真っ先に必要なのはコレだろ!



筑摩書房って良い本も出してたのに、2007年に一度潰れて以降は売る為なら手段選ばねえって事か?

あまりにガッカリしたわ。


俺が眺めたかったのはトーベのあの微妙な絵なんだよ!


春の気分 (ムーミン・コミックス)
春の気分 (ムーミン・コミックス)

Moomin on the Riviera
Moomin on the Riviera

この本で得たものは2件の事項だけ。

一つは「この作品」では「スノークの女の子」って表現な事と、

ムーミンパパが自分の名前を「私の名はフォン・ムーミン」って名乗ってるのを見つけた事。

バカボンの父親なのでバカボンパパだが本名が不明なのと違って、

深夜! 天才バカボン パパ 缶バッチ
深夜! 天才バカボン パパ 缶バッチ

ムーミンパパはムーミンの父親だからではあるものの、ムーミン谷という地域名からの名乗りと確定した。

レオナルド・ダ・ビンチが「ビンチ村のレオナルド」ってのと同じ。

レオナルド・ダ・ヴィンチ: 生涯と芸術のすべて (単行本)
レオナルド・ダ・ヴィンチ: 生涯と芸術のすべて (単行本)

ただ、ムーミンパパこと、フォン・ムーミンが住んだことで地名がムーミン谷となった可能性も排除はできないけど。

ムーミン・トロールのトロールは妖精の種別。

つまり、出身地名+種族名がムーミン・トロールということだ。

2点の内、後述については個人的に非常に価値が高い資料的情報だと思う。

でも、アニメの独自設定とか大いにありそうだから、原作とアニメ双方を確認しないとなあ。

劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス 豪華版[初回限定生産] [DVD]
劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス 豪華版[初回限定生産] [DVD]

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2018年01月14日

センター試験に出るムーミンとビッケとニルス ムーミン谷やフラーケ村は何処に?

センター試験地理B
大学入試センター試験地理Bの問題より

これムーミンから想起できる人にはボーナス問題だろ!と俺は思うのだが、
受験生と思われるアカウントが自分の無知を失敗要員と認めず逆恨みツイートとかしてたりする模様。

>ムーミン公式、センター受験生に「神対応」 地理Bで出題→逆恨みリプライ殺到したが
https://www.j-cast.com/2018/01/13318597.html?cx_recsWidget=pcTop&cx_recsOrder=4#cxrecs_s

>一部の受験生からは「あなたのせいで地理B満点逃しました」「絶対に許さない」との恨み節がムーミン公式サイトのツイッターに寄せられる騒ぎとなっている。

>「絶対に許さない。今すぐ国籍をノルウェーに変えろ」
「ノルウェーだろ?!ノルウェーだって言ってくれよ!」
「マジでさ、なんでお前を知らないか知ってるかの問題を解かんといけないんだ??」
「センターに出てこないで!ムーミンに人生狂わされました許しません」


こういう行動自体がネットリテラシや社会性も低いガキだって証拠だからそのアカウントってだけでその後の人生ブラックリストって可能性もあるのに、知識だけでなく賢さも欠如してるんだな。




問題事例の「ニルスのふしぎな旅」はスウェーデンの話。スウェーデン紙幣には表が作者のセルマ・ラーゲルリョーブが、裏にはニルスとモルテンが描かれている位に有名。

ニルスのふしぎな旅セット(全4巻) [全訳版] (偕成社文庫)
ニルスのふしぎな旅セット(全4巻) [全訳版] (偕成社文庫)

ニルスのふしぎな旅 DVD-BOX
ニルスのふしぎな旅 DVD-BOX

ビッケの「小さなバイキング」はスウェーデンの作品だが本国では有名ではなくドイツの方が知られている。
実写映画にまで至る知名度もズイヨーアニメのおかげ。

詳しくは下記エントリに書いた。

>ビッケのとっておき大作戦 最終巻
http://read.seesaa.net/article/454657521.html

小さなバイキングビッケ (評論社の児童図書館・文学の部屋)
小さなバイキングビッケ (評論社の児童図書館・文学の部屋)

小さなバイキング ビッケ DVD-BOX1
小さなバイキング ビッケ DVD-BOX1

ムーミンはフィンランドのヘルシンキ生まれのスウェーデン語系フィンランド人であるトーベ・ヤンソンがスウェーデン語で書いた話。(超ややこしい。)

アラビア(ARABIA) ムーミン マグ 300ml ムーミンバレー(ムーミン谷) フィンランド独立100周年記念 100331 [並行輸入品]
アラビア(ARABIA) ムーミン マグ 300ml ムーミンバレー(ムーミン谷) フィンランド独立100周年記念 100331 [並行輸入品]

【正規輸入(フィンランド)】Muurla (ムールラ) ムーミン キャセロール ムーミンジャム ブラック MRA060044
【正規輸入(フィンランド)】Muurla (ムールラ) ムーミン キャセロール ムーミンジャム ブラック MRA060044

なので原作はニルス、ビッケ、ムーミンの全てがスウェーデン語で書かれている。

でもムーミンがフィンランド人の書いた話と知ってれば消去法で判る問題だな。

でも問題作った奴にも確認とりたいんだけど。
ビッケが住んでるフラーケ村がノルウェーってのは何処にソースがあるんだ?

原作にもアニメにもフラーケ村がノルウェーなんて証拠や記載はないと思うんだけど。

アニメ1話冒頭のナレーションでは

>昔々、今から千年ほど前の事。スウェーデンやノルウェーの海岸地方にバイキングと呼ばれるとても勇ましい人たちがいました。


とはあるがフラーケ村がノルウェーとは言ってない!

>「小さなバイキングビッケ <前半>」 | バンダイチャンネル
http://www.b-ch.com/ttl/index.php?ttl_c=1124

アニメ公式サイトにはノルウェーサーモンとのコラボ広告とか掲載してるが、
アニメ公式サイトも今の世の中で「サイトにリンクするなら許可を得ろ」なんて低リテラシだからなー。

「バイキングだからノルウェーだ」みたいなことをテレ朝「サンデーLIVE!!」解説でアナウンサーが無責任に言ってやがったりもしたけど、スヴェア人ってスウェーデンのバイキングが居たっての!
相変わらずアサヒってやがるな。マスゴミ。

むしろ主題歌「ビッケは小さなバイキング」3番歌詞では「デンマーク」が出てくるので、フラーケ村からそっちへ出かけて行っているんだからデーン人でない可能性は高い。ノース人である可能性も残りはするがだからと言って明記もされていない事を断定はできない。

なのでビッケがノルウェーを舞台にしている裏が原作でもアニメでもとれない。

しかも「ムーミン谷がフィンランドにあるとは原作には全く記述がない。」


そしてムーミンの作者がフィンランディアだからフィンランドが舞台と仮定するなら、
ビッケの原作者はスベンスカなんだから、ビッケはスウェーデンの話でノルウェーの話ではないってのが論理的な思考になる。
つまりは論理的解釈をする形でも問題文が間違えている事になる

このセンター試験問題がダメなのは

>「舞台にしたアニメーション」

とされているものの、スウェーデンを舞台に地名もラップランド等を含め詳しく出てくるニルス以外は、
地理的には実はムーミン谷も、フラーケ村も不明瞭であること。

ムーミンには中国とかも言葉の中には出てくるし、
ビッケは♪イギリス、オランダ、ブルガリアー なので」
「何れも異世界ではなく地球の話」ではあるのだが。

無知をムーミンに責任転嫁するガキどももアウトだが、
更にアウトなのは問題作成者が「原作のソースにちゃんと目を通してない」知ったかぶり、且つ論理思考能力もないって事だ。

これ出題ミスになるんじゃねえの?

新装版 ムーミン谷の冬 (講談社文庫)
新装版 ムーミン谷の冬 (講談社文庫)

posted by wolf_howling at 09:50 | Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月08日

ジム・ボタンと13人の海賊

ジム・ボタンと13人の海賊 (ジム・ボタンの冒険 (2))
ジム・ボタンと13人の海賊 (ジム・ボタンの冒険 (2))

1巻目のあとがきにはミヒャエル・エンデは1行づつ行き当たりばったりでこの本を書いたとあったが

>ジム・ボタンの機関車大旅行
http://read.seesaa.net/article/454938614.html

ジム・ボタンの機関車大旅行 (岩波少年文庫)
ジム・ボタンの機関車大旅行 (岩波少年文庫)

後半は伏線回収の塊だった。

新キャラも出てくるものの、殆どは前半の脇役達含めての丸く収めた御都合主義ハッピーエンド。

なので、あらすじ書くよりも、児童書なので実際読んでって感じなのだが、
俺らしくネタバレも含みそうだけどツッコミをしておく。

俺が読んで思ったのはナルニアとかもだけど、ファンタジーの近代児童文学とか言った所で、イギリスもドイツもキリスト教の呪縛からは抜け出てねえのなと。

「ナルニア国ものがたり」全7冊セット 美装ケース入り (岩波少年文庫)
「ナルニア国ものがたり」全7冊セット 美装ケース入り (岩波少年文庫)

しかも、マタイ伝の東方の三博士を「王」とか言っちゃう程度なので、ミヒャエル・エンデのキリスト教知識は、キリストの弟子の名前をダビデとゴリアテって言ったトムソーヤーと同レベルしかないって事も解る。
ちゃんと聖書読んでねえなって。

新約聖書 福音書 (岩波文庫)
新約聖書 福音書 (岩波文庫)

なのにバッシング受けてないのは公現祭の時にフランスで食う菓子にガレット・デ・ロワ galette des rois ってのがあって、西方教会のそもそものクリスマスケーキにあたるもの、本来はローマのサトゥルヌス神の祭りの日取りがユリウス暦12月25日なわけだが、

フロム蔵王フレンチ・アップルパイ《ガレット・ポム》7号
フロム蔵王フレンチ・アップルパイ《ガレット・ポム》7号

ガレット・デ・ロワ=ケーキ 定冠詞 王達 って意味で、ドイツ語でも菓子の名前はそのままroisで呼ばれるらしい。

その王達ってのは何かというとrois magesの事で、
このマージュってのはメイジ、マギの事。
mage側は魔法使い、賢者、博士って意味だから、
本来残すべきは「王の方じゃなくて博士」側だろフランクバルバロイども!って感じだが。

アメリカではキングケーキだそうだ。

オーストリアではドイツ語でケーニヒスクーヘン Königskuchen =王様ケーキ なので、
ドイツ人も彼らを王の方だけ残して広めちまった結果、ドイツもフランスもアメリカも碌にすげえ長い間ずっと真面目に聖書読んでないんじゃねえの?って状態が伝統になっちまってるみたいだと判る。

まードイツもコイツもトムソーヤと同レベって所詮そんなもんなんだなーとシミジミ。

トム・ソーヤーの冒険 DVDメモリアルボックス
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プレスター・ジョンも有名だし、読み手が子供でもなければ、西欧なら今更感しかない気も。

世界をまどわせた地図 伝説と誤解が生んだ冒険の物語
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それと翻訳した人はシャンバラって言葉を知らなかったのかな?
ドイツ語だとShambalaの頭のSを発音しないでhaの音はヤって読むにしろ、
(なのでドイツ語のドラゴンボールだと、かめはめ波を撃つ悟空は
「カーメーヤーメー ヤー」
って発音してる。「ハ」って言えないので。)

ドラゴンボールZ 亀仙流伝承奥義超かめはめ波!!!! 孫悟空 アニメ フィギュア グッズ プライズ バンプレスト
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シャンバラってサンスクリット語起源の言葉は日本にもそのままで入ってるだろうに。

劇場版 鋼の錬金術師シャンバラを征く者 完全生産限定版 プレミアムDVD BOX
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Shangri-La
Shangri-La

そういえば翻訳した人、去年末に亡くなってたのね。

>「はてしない物語」翻訳、上田真而子さん死去
https://www.asahi.com/articles/ASKDL3R59KDLUCVL003.html

でもこれ、ラストまで読んで思うのはやっぱりジムの活躍は通してさほどでもないのは、大冒険をしてても所詮、子供ができる事ってのは限られてる感が否めなくて、やっぱタイトルはドイツ語の原題「Jim Knopf und Lukas der Lokomotivführer」の通りにルーカスの名前は端折るべきじゃない。

あと俺なら使途の方を絡める事も考えそうだけど、キリスト教徒だと罰当たりみたいに感じるのかもなー。

で、この児童書版のラインハルト・ミヒル Reinhard Michlの挿絵が素晴らしいのは先にも述べたが、
表紙をみて、子供に物語内容を空想を膨らませる表紙デザインじゃなくて何でこの絵を持ってきたの?
海賊が敗北してる絵を先ずみたら「あー、所詮、悪党とはいえやっぱ負けるのな」ってバレバレじゃねえかよ!
ドイツ語の原書からしてそういう装丁で、なんだかなー・・・って、思ったんだけど。

Jim Knopf und die Wilde 13. ( Bd. II)
Jim Knopf und die Wilde 13. ( Bd. II)

これ、中身を読んで、そして俺は確認して納得した!装丁が良く出来てる!
いやあ、やっぱ人間てのは先入観で判断しちゃダメだ!
先ずは疑え!そして確認して裏をとれ!って事をこの表紙絵は教えてくれる。
(しかも裏表紙の方も!)

エンデ全集〈2〉ジム・ボタンと13人の海賊
エンデ全集〈2〉ジム・ボタンと13人の海賊

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2017年12月13日

水木しげるのおばけ学校4 おばけ宇宙大戦争

おばけ宇宙大戦争 (水木しげるのおばけ学校 4)
おばけ宇宙大戦争 (水木しげるのおばけ学校 4)

児童書仕様だが、流石は水木しげるという感じで侮れない!

冒頭のキャラ紹介で、一反もめんと、あみきりが「鬼太郎のこぶん」って書かれてて、いきなり笑わせてもらう。

カフェオレマグ 一反もめん
カフェオレマグ 一反もめん

百鬼夜行 妖怪コレクション「網剪」(あみきり)【通常彩色版】
百鬼夜行 妖怪コレクション「網剪」(あみきり)【通常彩色版】

2話が収録されていて、鬼太郎や妖怪たちが宇宙人と戦うのが1本目。

二転三転する物語で相変わらず先が読めないW

しかも「つごうよく、光が見えてきた」とか児童書なのに御都合主義だと自ら平気で書いてある点も良い。

2話目は「ねこ町キップ」。
大手町から、ねこ町への地下鉄が出ており、何故か帰りは東京駅という設定なのだそうだが、
1980年のこの作品はハリポの9と3/4番線より遥かに前の作品という事は言うまでもない。

ハリー・ポッター/ホグワーツ特急 9と3/4番線 木製サイン レプリカ [並行輸入品]
ハリー・ポッター/ホグワーツ特急 9と3/4番線 木製サイン レプリカ [並行輸入品]

「人が減ると猫が増える」という原因を解明するために、統計学者が鬼太郎と、ねずみ男を給料無しで3食だけで雇う。一部ネタバレで恐縮だが、



黒幕が「力があれば何でもできると思うなよ」と鬼太郎たちを諭して帰す形で話は終わる。

結局、何の問題も解決しないまま終わるのだ!

この意外性はこれだけ水木作品を幾つも読んでいる俺ですら「おー、やられたわ!」って感じになった。
毎度がバトル展開で解決!ってのは実際は鬼太郎の物語の多くではない。
子供たちは消化不良になるかもしれないが、鬼太郎は決して無敵のヒーローとかではないのだ!

他のキャラにはありえないような大ピンチからも鬼太郎は復活する。
だけど貝澤幸男が監督やって、長谷川圭一と三条陸がシリーズ構成やった5期鬼太郎みたいなパワーで解決ってのはコレジャナイなんだよ。話を盛って妖怪四十七士だのやった所で映画も大コケして打ち切りってザマは、原作破壊してる実写版と同じレベルなんだよ。

劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!! [DVD]
劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!! [DVD]

ゲゲゲの鬼太郎 スタンダード・エディション [DVD]
ゲゲゲの鬼太郎 スタンダード・エディション [DVD]

水木しげる自身は「お金を運んできてくれる」ものには寛容だったにせよ、見てる側、読んでる側からすると原作の持ち味を殺して便乗で二次創作してる連中が好き勝手してるだけってのは台無しなんだよ。

それだけに本人自身が絵を描いてなかろうと、持ち味さえ出てれば、この本みたいに児童書だろうが大歓迎なのだ!

妖怪大戦争 (水木しげるのおばけ学校 9)
妖怪大戦争 (水木しげるのおばけ学校 9)

posted by wolf_howling at 19:27 | Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月05日

海の王国 ジョーン・エイキン

海の王国
海の王国

タイトルからなんとなく手に取って、中身をパラパラと見るにヤン・ピアンコフスキーの影絵の様な、切り絵のおうなシルエットのみで表した絵に惹かれて、次に文章をざっと眺めたらスラヴ民話っぽい。

後書きなどを見るにロシア,バルカン諸国の昔話をイギリスの児童文学作家が再話したものとのこと。

>海の王国 - 岩波書店
https://www.iwanami.co.jp/book/b255343.html

スラヴ民話に出てくる民俗の存在って、この本にも掲載されてるバーバ・ヤーガとかの他はメガテンで覚えたベロボーグ 、チェルノボグ、トリグラフ3神とか、ルサルカとかしかパッとは出てこないなと思って読んでみた。

組曲《展覧会の絵》: 鶏の足の上に立つバーバ・ヤーガの小屋
組曲《展覧会の絵》: 鶏の足の上に立つバーバ・ヤーガの小屋

ドヴォルザーク:歌劇《ルサルカ》パリ・オペラ座2002年 [DVD]
ドヴォルザーク:歌劇《ルサルカ》パリ・オペラ座2002年 [DVD]

11編しかなく、海の話も最初のだけで、でてくるのは主に太陽神らしきもの多い。

夜明けの乙女ゾラ・ジュヴォイカとは多分にゾリャー(Zorya)の事だろうオーロラの神格化されたものらしい
https://en.wikipedia.org/wiki/Zorya

太陽神ダジボーグ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%B8%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%B0

太陽の育ての親、沼の魔女モコシュ(地母神)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%B3%E3%82%B7

他に出て来た天使ガブリエルや、聖ペテロと共に出てきている「神」は当然キリスト教の神だ。

読んで先ず思ったのがアラビアンナイトの影響である。
アラビアンナイトの原型成立が9世紀。
キエフ大公ウラジーミル1世が作らせた6体の神像の中にダジボーグやモコシュがあり、ウラジーミル1世の即位が978年なので、超ザックリだがアラビアンナイトの大元の方が100年近くは早い。
となると・・・伝播して現地の話にアレンジされたと考える方が普通かなと。
ジョーゼフ・キャンベルの比較神話学だと、遠く離れた所の話が何故か似てる!これは人間の根源がうんちゃらだのって説だけど、如何考えたって伝播が殆どだろって位に人間の移動力なめんなと、こういう事例を見つける度に思う。

神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

アラビアンナイトの影響が顕著なのが「王子様の嫁探し」で、王子が苦労して探したのに好奇心からバカな事を繰り返してしまうのは、現代の子供だろうが、昔の大人だろうが、其処で「あーあ。バカだね。」って思わせる効果は時代を経ても同じなのだろうなあと感慨深い。

浦島太郎が玉手箱をあけてしまう行為とかも、影響があるのではなかろうか?

とはいうものの、昔話をそのまま収録してくれた方がそういう意味での価値は高いのだが、再話と呼ばせた改竄が酷い様子なのも多い。

1話目の「海の王国」は
アラビアンナイトによく出てくる貧乏漁師と、
浦島太郎の竜宮城と、
真面目に勤めを果たしていた奥さんが報われる話
という構成は、多分にラストは特に作者が付け足した感が凄い。

ここで私が思い出すのはグリム童話の「漁師とおかみ」なのだが
http://hukumusume.com/douwa/pc/world/05/24.htm
多分にジョーン・エイキンは、おかみさんがそういう役回りだったのが「個人的に不満」だったのだろう(苦笑)

話というものは昔の原型に遡るほど、教訓めいたラストとかはなくて、
割と変わった内容を伝えるのが主体&投げっぱなしエンドも多いものだ。
なので改竄が何処でされてるかとかは割と解り易い。

伝播とアレンジといえば、「ババ・ヤガーの娘」という話は
継母と二人の姉にいじめられる末娘。となるともうお分かりですねという感じだし、
その娘が夜、外に出て火をかりてくる話からは、大歳の火を思い出した。
イギリスの「ジャックと豆の木」に加え、グリム童話の「親指小僧」「怪鳥グライフ」などからこまごまと引っ張ってきた後に、
「ヘンゼルとグレーテル」とは別のテクニックでババヤガをかまどの中に放り込むのだが、このババヤガは強くて更に追ってくる!
ここで、出て来たのが呪的逃走だ!
日本では「三枚のお札」や、イザナギがヨモツシコメやヨモツイクサに追われて髪飾りや櫛を投げるって話があるが、
ババヤガ相手には
・ブラシを投げたら藪になる
・櫛を投げたら樫の林になる
・金糸銀糸の布を投げたら沼になって、ババヤガは其処でみえなくなる。
というスタイルだった。

「三枚のお札」の相手は山姥で、
トイレの中で小僧の代わりに代返をする札の後は、
追っかけてきた山姥を阻む為に、河になったり、火の山になったりするが、
別パターンだと砂山になって登ろうとすると崩れてなかなか登れないという表現がある。

この本が1971年のものなので、
これはどこまではスラヴに伝わっていた話なのか?
何をどこから引っ張って来たのか?
とかを故人になる前に作者には残しておいてほしかった気分だが、
もうこうなってしまうと昔話を読んでいるというよりも、創作童話を読んでいるって感じに切り替えた方が良いと思ったのでそうした。

だってゾウまで出てきちまう話まであるんだもの。

さいごの「がちょう番のむすめ」というのは、タイトルだけみて「あー。ここでもグリムか…」って思ったんだけど。

初版グリム童話集(4) (白水uブックス 167)
初版グリム童話集(4) (白水uブックス 167)

意外や意外、笑い小話だった!
しかも、神様とか聖ペテロをネタにした内容という。

逆にコレを読んでまた俺はグリム童話の「漁師とおかみ」を想起した。

あまりに短い話なのでネタバレというか、あらすじを書いてしまうと。

聖ペテロが短時間でも神様やってみたいなーと神に言う。
じゃ、今から半日交代ね!と神様。
ガチョウ番の娘が祭に出掛けようとガチョウをホッタラカシにするのを見るペテロ。
ペテロが、お前が面倒みない間は誰がガチョウをみるんだ?と娘に聴く。
娘は「私の代わりに神様が番をするんだよ」(多分に運任せという意味)
神様は祭に出かけるが留守番させられるペテロ。
ペテロは神様になりたいとは二度と言わなかった。

これ、洒落てる!
軽い教訓話でもあり、神様が任せた!って言ったのが祭の当日だったって事は思し召しというか、むしろ「計画通り」な罠にはめた状態じゃねえかWWW

この人は短編創作の方が向いてるんだろうな。

既にこの本は絶版状態なわけだけど、今でも在庫がある「しずくの首飾り」についてちょっと調べたら、教科書で読んだことがある「三人の旅人たち」は当然に俺も知ってたわ!
砂漠の過疎駅の駅員3人がそれぞれ旅に出て土産話をきかせる話。
あれを書いたのがエイキンだったのか。物語の概要は覚えてるが流石に作者名とかは忘却の彼方だったよ。

しずくの首飾り (岩波ものがたりの本)
しずくの首飾り (岩波ものがたりの本)

posted by wolf_howling at 06:36 | Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月17日

ジム・ボタンの機関車大旅行

ジム・ボタンの機関車大旅行 (岩波少年文庫)
ジム・ボタンの機関車大旅行 (岩波少年文庫)

ミヒャエル・エンデのデビュー作。

来年にドイツ映画がワーナー系で公開らしいけど、全然そういう情報ってネット使わないと日本には入ってこないよねえ、話題にすら挙がらない。



ジムボタンといえば私にとってはエイケンアニメだったわけだが。

エイケン THE BEST
エイケン THE BEST

ネバーエンディングストーリーのラストに激怒して訴訟起こす程のミヒャエル・エンデが、

ネバーエンディング・ストーリー [DVD]
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♪ ぼたん ぱーんち ぱーんち ぱんちぱんちぱーんち

だったり、「魔神ドリンガー?誰?」みたいな作品を目にした時の心境や如何にってのは想像するだけで笑ってしまうのだがWWW

もう少年の名前がジムで、機関車の名前がエマで、機関士がルーカスって名称だけが同じで「何処が原作ミハエル・エンデ?WWW」って位に潔く別物。
だけど、アニメ版の1話はいきなり襲ってきた海賊によって母親は攫われ、恋人は鳥にされ、ジムを庇ったルーカスは石化されるという子供にとってはトラウマレベルのインパクトある展開で引き込みが凄い!

Wikipediaにもジムが黒人じゃないとか書いてあるけど
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A0%E3%83%9C%E3%82%BF%E3%83%B3

別物だけどジムがボタン投げたり黒人じゃないってのは全く気にならない位に子供番組の物語としての出来はハードな出来で子供心には良い作品だったと思う。大人の妙な都合関係なく。
30年位前には再放送とかもされてたんだけど、メディアに全く収録されてなくて勿体なさすぎる。

そも、ルグウィンがゲド戦記TV版の主人公が白人だったので肌の色がそうじゃないとかdisってたみたいに、有色人種を優遇したらそれはそれで差別じゃないの?と。

ゲド~戦いのはじまり~ [DVD]
ゲド~戦いのはじまり~ [DVD]

エンデもジムが機関士の仕事について「この仕事が肌の色に好つごう」とか2章目早々に問題発言かいてあるので、上辺で反差別とかやっても細部に本音は現れる。

マンダラ国ってのも元々は中国って書いてたのを後から改変したそうなので、書籍は2つのバージョンが残ってるらしい。ソースはドイツ語版wikipedia。

>Jim Knopf und Lukas der Lokomotivführer
https://de.wikipedia.org/wiki/Jim_Knopf_und_Lukas_der_Lokomotivführer

多分に元々は中国って書いたものの、実在する中国人の視点からすれば妙なファンタジー国家扱いは妙に受け取られるだろうってエンデ自身が気づいたからこその改変じゃないの?

マンダラ国のファンタジーぶりを強調する演出のつもりだったんだろうけど、耳そうじ屋は現代日本には存在しちゃってるのでエンデの考えた法螺話はリアルでビジネスとして成立してるというW

ツカミはやや子供だましを意識しすぎてたせいかかったるいけど、ファンタジー冒険作品としてはどんどん加速していく。
ファンタジー描写の勢いに波がある点が気になったけど、記法をあとがきで読んで納得した。

「ストーリー構成というものを考えず、一行ずつ冒頭から書き足していった結果の作品」だからだ。

連載作品での作話もだが行き当たりばったりで辻褄を合わせたり、ピンチを切り抜けるアイディアを出すのは才能と言っても良いと思う。

エンデがノリでピンチにしてしまった後に、どうしたらいいだろう?と思って次の1行を書くまでに1か月考え続けたという事からも判る。

俺も原作知らずに死んでいくのも何だから読んでみるかって感じだったのだが、あのシーンは「これじゃたすからねえW」って思ったもの。
そして「そうきたか!」と。

荒木飛呂彦がジョジョ4部で吉良吉影に思い入れすぎて
「やべえ・・・。これ主人公達が勝てない・・・。」ってなってしまったのをなんとかしたってのを思い出した。

ジョジョの奇妙な冒険 吉良吉影 ネクタイ 4色 (紫)
ジョジョの奇妙な冒険 吉良吉影 ネクタイ 4色 (紫)

児童書なので難解な文体もなく、短い話なので、あらすじを書いてしまうとネタバレ直結してしまうのが勿体ないと思うので書かないけど、結構にレビューはしづらい。

素晴らしいのはラインハルト・ミヒル Reinhard Michl氏の挿絵!

Jim Knopf und die Wilde 13. ( Bd. II)
Jim Knopf und die Wilde 13. ( Bd. II)

機関車のエマがドラゴンに変装するってどんなだよ?とか思ったけど、あの挿絵で「あー、こんな感じW」って思ったし、竜どものいやらしい感じとかが凄く良く出てる絵があって想像を助けてくれる。

トゥートゥーさんの雰囲気とか、ピンポンのかわいらしさとか、素敵なスケッチ。

初期の挿絵は大どろぼうホッツェンプロッツの絵を描いていたフランツ・ヨーゼフ・トリップが描いていたようだけど。

大どろぼうホッツェンプロッツ(全3巻)
大どろぼうホッツェンプロッツ(全3巻)

このサイトを見るに、ジムボタンと空飛ぶ絨毯とかエンデ原作なのかな?みたいな絵本も結構ある様子。

>F. J. Tripp
http://www.thienemann-esslinger.de/thienemann/autoren-illustratoren/autordetail-seite/f-j-tripp-232/

Jim Knopf und der fliegende Teppich
Jim Knopf und der fliegende Teppich

となると

♪ ぼたん ぱーんち ぱーんち

も別に許されてるんじゃねえの?とかも思った。
エイケンアニメ版もなんか続きの一つみたいな二次創作って捉えればいいような気もしなくもない。
家族や恋人との関係どうするのかとかはあるけどW

エンデがデビューとして書いた時はリアリズム主体で出版社10社以上に見向きもされなかったのに出してみたら大ヒットして、これを読んだ世代が後々にモモや「はてしない物語」みたいな説教臭いファンタジー作品に辿り着いた流れには納得。

モモ (岩波少年文庫(127))
モモ (岩波少年文庫(127))

はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)
はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)

ハリウッドはハリポのヒット後にファンタジー作品をやりすぎて飽きられて、今度は「実話系」が溢れているんだろうけど。実話が下地になってる取材は必要だけど、それより脚本家側が面白いフィクションが書けなくなってるのもあるかもなーと。何処も原作不足みてえな感じだし。

ハリー・ポッター 8フィルムコレクション<4K ULTRA HD&ブルーレイセット>(16枚組) [Blu-ray]
ハリー・ポッター 8フィルムコレクション<4K ULTRA HD&ブルーレイセット>(16枚組) [Blu-ray]

この作品は元々エンデが500ページ超えで書いちゃったのを出版社が分冊にする条件で出版したらしいので、好評だったから続きをって作品とも違うから久々に続きが楽しみ。

あと、タイトルの翻訳についてだけど、
原題は「Jim Knopf und Lukas der Lokomotivführer」で、
「ジムボタンとルーカスは機関士」って日本語だとパッとしないけど、
作中ではあんまりジムは大活躍という感じでなく、むしろルーカスのが主人公みたいな感じだし、
機関車「大旅行」っていうと安全な観光してるみたいな誤解されるだろうから、
「ジムボタンとルーカスの機関車大冒険」ていう方が良かったんじゃねえのかなーとか。

キャッチーなタイトルは売れる為には必須だし、内容が伝わる事も大切。

でも、手紙の謎とかの翻訳技量については恐れ入るレベルで感心した。
子供達もアレは納得するだろう。

それとTRPGのCD&Dで魔法のネタ等は聖書等を参考にしているのも多いのだが、ゴールドドラゴンがローフルな存在である事とか、ドラゴンの服従ってのは何の伝承が元なんだろう?ってのは長年の疑問だったのだが、この話が遠い元ネタだったりする?とかも思った。

ダンジョンズ&ドラゴンズ プレイヤーズ・ハンドブック第5版
ダンジョンズ&ドラゴンズ プレイヤーズ・ハンドブック第5版

エンデ全集〈1〉ジム・ボタンの機関車大旅行
エンデ全集〈1〉ジム・ボタンの機関車大旅行

posted by wolf_howling at 11:45 | Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月04日

ビッケのとっておき大作戦 最終巻

ビッケのとっておき大作戦 (評論社の児童図書館・文学の部屋)
ビッケのとっておき大作戦 (評論社の児童図書館・文学の部屋)

シリーズを読み進め終わる最終巻の段で今更に調べてみたが、
作者のルーネル・ヨンソンって日本語版のwikipediaには
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%A8%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3
>児童文学作家、ファンタジー作家。

だの書かれてて何も触れられてないけど、
スウェーデン語の方をみたら職業はJournalist=ジャーナリストとある。
https://sv.wikipedia.org/wiki/Runer_Jonsson

そして著述家としては詩集で1946年にデビューしたとも。
ビッケを書いたのは1963年から。

くどくどしい詩人ウルメとか、皮肉な一言を挟まずにはいられないチューレはこの作者だからかと凄く納得した。

今回のフラーケの敵は暴君なんだけど、
<平等>と名乗っているのを悪としてるのは、これ多分に共産主義批判だろう。
訳者は<住民の友>ってやってるけど、要は「同志」って事だろうってのもソ連を知ってる大人が読むと判る。

そしてVicke Vikingについてスウェーデン語wikipediaを見ると
https://sv.wikipedia.org/wiki/Vicke_Viking

政治漫画家EWK(Ewert Karlsson)って人が挿絵を描いてるらしいことが判明。
これイラスト描いてる人が2004年に亡くなってるとはいえ、掲載してる日本語版の書籍に誰が描いたかを記載しなくてもいいの?

そしてスウェーデン語が解らない俺はgoogle翻訳に流し込んでみる訳だが

「Vicke Vikingの物語にもとづく漫画の子供向けの映画は、ドイツのテレビチャンネルZDFの代わりに、1974-75年のテレビシリーズとして1972年に制作されました。」

って書いてあって、おいおい!スウェーデン人ども。
ZDFは衣アリの共同「製作」側であって制作は実質ズイヨーがやったのに全く書いてねえぞと思ったが、

「1970年代と80年代には日本、ドイツ、オーストリア、スイス、スペイン、イギリスで大好評を博しましたが、スウェーデンのテレビではずっと後には見せられませんでした。 したがって、Vicke Vikingはスウェーデンではあまり有名ではありません。

ってのを読んで、でたー「フランダースの犬現象」WWWって。

世界名作劇場・完結版 フランダースの犬 [DVD]
世界名作劇場・完結版 フランダースの犬 [DVD]

イギリス作家ウィーダが書いた小説で全然イギリスでは有名じゃないし評価もされてない。
舞台をベルギーにしてるのもののイギリス人が勝手に書いた話でベルギー人は全然知らなかった。
なのに日本人観光客がきて「フランダースの犬の舞台は何処?」だの散々やったせいで、
遂にはアントワープにネロとパトラッシュの銅像まで立つことに(苦笑)

>フランダースの犬は地元では不人気?
http://www.excite.co.jp/News/bit/00091178537634.html

>地元ベルギーの方たちは ”子供一人を空腹で亡くすような残酷なことを私たちは決してしない” といった批判的な意見さえあるようだ。


菊池寛の翻訳版があって、(ちなみにネロは清(きよし)パトラッシュは斑(ぶち)アロアは綾子(あやこ)ってアレンジが…。)

その後、日本でアニメ化された事で世界に知られるようになるという奇妙な経緯があるんだけど、
ビッケもルーネル・ヨンソンもスウェーデン人は「誰?」てなもんなんだなWWW


評論社新版としては最終巻なんだけど、ルーネル・ヨンソンは1975年にコレを書いた後に、1994年にVicke tar overというのを書いてるので、実は続きがある。
(この本の終わり方も作中でもわざわざ書かれてるように「めでたしめでたし」じゃないし。)
作者は2巻以降は毎年1冊ペースで書いていたのに、それは5巻までで、この巻までは6年も間がある。

Vicke Viking (1963)
Vicke Viking lurar de rodogda (1965)
Vicke Viking Hederskung (1966)
Vicke Viking i Vinland (1967)
Vicke Viking och burduserna (1969)
Vicke Viking stortar tyrannerna (1975)
Vicke tar over (1994)

多分に1972年のアニメがヒットしたので打ち切りだったのに急に追加したのだろう。
そのせいか、急にフラーケ族の中にファクセが登場する!
原作のゴルムとスノーレの役割の両方を兼ねている様な感じがアニメ版のファクセだが、ここまで読んで結局、ウローブ爺さんは出てこなかった。
つまりはズイヨー版のアニメで生まれたキャラだという事の裏が取れた。
ちなみにビッケのガールフレンドのチッチも全く原作には出てこない。でも実写版にも3DCG版にもそれに該当するキャラが出てくる。ってことはアニメありきの作品なのだ。

TINY HUGE LINE 小さなバイキング ビッケ 第1弾 ビッケ/ウローブ/ファクセル (ノンスケールソフトビニール塗装済み完成品)
TINY HUGE LINE 小さなバイキング ビッケ 第1弾 ビッケ/ウローブ/ファクセル (ノンスケールソフトビニール塗装済み完成品)

小さなバイキング ビッケ [DVD]
小さなバイキング ビッケ [DVD]

ビッケのアニメ公式サイトは「リンクを勝手に貼るな」ルールとか注記してあるので気軽な引用すらやる気がしない。ITリテラシが空っぽの誰かが関わってるせいなのか?
だったらWeb公開やめちまえば?、SEO的にも勝手に埋もれて自業自得で消えてって貰えば良いしと思う訳だが、

参考資料として見るに

1963年のVicke Vikingの後に
「ビッケと青い騎士たち」
「ビッケと大きなたこ」

があった事が書かれてるので、それらは時系列的には評論社版の2冊目以前の話となる。
多分に著作権でも切れて誰かが訳すとかでもない限りは日本語で目にする機会はなさそう。

俺はスウェーデン語は解らないので、この先を欲り下げたり読んだりは早々に諦める。

というより、スウェーデン人も碌に知らない作品だから、スウェーデン語の文献を入手するにも相当に苦労するだろうし、
日本で面白くアレンジされてのアニメ化があった事によって世界的な知名度を得ている事の裏が十二分にとれたので良しとする。
だって原作の方は面白くねえんだもん。

そしてドイツの実写版やアメリカのwikipediaでの紹介等を見るに

https://en.wikipedia.org/wiki/Vicke_Viking

フラーケ族の外見デザイン著作権って二次著作にせよ本来は日本の方のものなんじゃねえの?って。

トランスフォーマーもCG映画化だのされたところで

トランスフォーマー/最後の騎士王 ブルーレイ+DVD+特典ブルーレイ ※初回限定生産 [Blu-ray]
トランスフォーマー/最後の騎士王 ブルーレイ+DVD+特典ブルーレイ ※初回限定生産 [Blu-ray]

版権持ってるハズブロが何ができるわけでもなく、いまだにタカラトミーが設計デザインしてるわけだし。

トランスフォーマー TFアンコール ゴッドファイヤーコンボイ
トランスフォーマー TFアンコール ゴッドファイヤーコンボイ

ディズニーがジャングル大帝をパクってるのに、それを劇団四季の舞台が〜とかありがたがってる連中は結局、クールジャパンとかって掛け声だけのもので、実際にクリエイティビティを発揮した人間側を踏みつけにしてるんだよ。

ジャングル大帝 Complete BOX [DVD]
ジャングル大帝 Complete BOX [DVD]

ディズニー ライオンキング ミュージカル <劇団四季>
ディズニー ライオンキング ミュージカル <劇団四季>

そういう点では翻訳にもクリエイティビティってのがあって翻訳が良ければ売れるけど、ダメなら売れないはある。

学研版を読んだ時は楽しかったので、Halvarを「遥々」を想起させる「ハルバル」って訳した大塚勇三氏の訳はやはり上手だったのだろうと。
やはり、長くつ下のピッピ(宮崎駿がアニメ化したかったんだけど、ゲド戦記と同様に版権が取れなかったのでアニメ化できなかった作品)や、スプーンおばさんを訳している方は流石と。

長くつ下ピッピの冒険物語 [DVD]
長くつ下ピッピの冒険物語 [DVD]

想い出のアニメライブラリー 第4集 スプーンおばさん DVD-BOX デジタルリマスター版 上巻
想い出のアニメライブラリー 第4集 スプーンおばさん DVD-BOX デジタルリマスター版 上巻

様々な書籍やゲームで「何でこんな人を翻訳担当に選んだの?」ってのは非常に多い。

そして英語教育が浸透し、機械翻訳の精度もAIなどで上がって来ると猶更「よくもまあこんな酷い翻訳や字幕で金とってるよね」ってネット上で袋叩きに合う時代な訳で。

児童書の翻訳書籍をここのところずっと眺めてて、出版社や編集者が丸投げで何もしてない様子が非常に良く解る。

言葉の壁というものはあるものの、解りやすく訳せるかとか、子供ですら変に思う数理論理破たんを書いてないかは児童書では重要だと思う。

この本の36ページには

>イギリス人は自国民にえこひいきをするものですから、イギリス人二人が同時に一位で、私は二位になってしまいました。


とある。

順位ならば「同時」ではなく「同率」だ。
しかも、同率一位が二人ならば、その次は「三位」だ。


作者、翻訳家、編集者、出版社、それぞれが非常識な事がこれだけでも判る。

正しい日本語が判りもしない者には作家も訳者も編集者もない。
正誤判断の基準がまだ整ってない子供達に間違った言葉や知識を広めるなど以ての外だ。


ちゃんと仕事をしている人こそがプロで代金を受け取れる。
そのプロが創った物だけが商品と呼ばれる価値あるものではなかろうか?

ビッケのとっておき大作戦 (評論社の児童図書館・文学の部屋)
ビッケのとっておき大作戦 (評論社の児童図書館・文学の部屋)

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2017年10月25日

「ビッケと木馬の大戦車」 この本は児童書として明らかに不適切

ビッケと木馬の大戦車 (評論社の児童図書館・文学の部屋)
ビッケと木馬の大戦車 (評論社の児童図書館・文学の部屋)

いまだに子供向けと子供だましを勘違いしている作家や大人は多い。

この作品も人気が出て無理やりシリーズにしたことでのネタギレからか、破たんしてしまっている。
原作を一部しか参照してないアニメ版のビッケが面白かっただけに、楽しみにして読んだ原作シリーズが構成的に失敗作であることを知るのは複雑な気分だ。

小さなバイキング ビッケ DVD-BOX1
小さなバイキング ビッケ DVD-BOX1

ビッケが現代チート的な発明で人を助けたり、あっと言わせるのは面白いと思った子供もいただろう。
しかし、ビッケが敵の安否も気遣う妙な偽善をみせる一方で、作品の中では戦争ネタが増えて、挙句が作家の脳内での一人相撲が連綿と続く駄文となってしまっている。
ビッケのひらめきも御都合主義の限りだし。
そのアイディアについてのくどくどしい説明シーンの繰り返しも増えてページ稼いでいるのもバレバレ。

>「はっきりいったらどうなんだ」

>「おれをいらいらさせるな!もったいぶった話を聞いているひまはないんだ」


って思うのはブルレットだけじゃねえだろ。

現代チートの挙句がP.73が失笑モノで、原文ではなんとあるかは知らないが、バイキングと同時代で「野球」が存在してしまっている。

ヴァイキング時代=Viking Ageってざっくりとだけど800年〜1050年位の間なんだけど。
https://en.wikipedia.org/wiki/Viking_Age

野球=ベースボールの元となったクリケットですら16世紀のイギリス南部で始まったんだけど。

Amberスポーツクラブクリケットバット ? Kashmir Willow
Amberスポーツクラブクリケットバット ? Kashmir Willow

児童文学において誇張してあるのが明確なフィクション以外を混在させる事は非常に危険である。
知識として子供が其れを蓄えてしまったらどうするのだろう?
また、その後に事実を知った際には「作家に騙された!」と思うだろうし。

バカな大人なら「バイキングが野球をやっていた事知ってる?」とかって冗談に騙されてしまう者もいるかもしれない。
むしろ知ったかぶりして「知ってるとも!」とかいう奴までいるかもしれない。

そういう点でも文面の上では偽善だらけだが、実際には子供の事を全く気遣ってはいない書籍なのがバレバレでもある。

ココナッツオイルとラードで作った「すべり液」に、滑り止めである松脂を混ぜている愚かさとかも史実だけでなく科学的な知識にも作者が乏しい事があまりにも解りやすい。

WHITE BEAR(ホワイトベア) 野球 投球用 チームロジン No85 [並行輸入品]
WHITE BEAR(ホワイトベア) 野球 投球用 チームロジン No85 [並行輸入品]

BERNARDEL(ベルナルデル) バイオリン用松脂
BERNARDEL(ベルナルデル) バイオリン用松脂

竹馬部隊を弓で射殺してしまえという名案の否定理由が、

>暑さで、弓のつるがたるんでしまっているから、弓をひきしぼることができない


って言いながら、すべり液をつめた樽を開ける方法として

>ひもをつけた矢を、樽にうちこんでおけばいいんだもの。


とかいってる。

チューレでなくとも「ビッケと作者のルーネル・ヨンソンは論理思考能力が欠如してるから、平気で矛盾した安っぽい戯言をぬかすんだな」って言うだろう。

ビッケと木馬の大戦車 (評論社の児童図書館・文学の部屋)
ビッケと木馬の大戦車 (評論社の児童図書館・文学の部屋)

そしてルーネル・ヨンソンの考えた破城槌への対策が、馬で動かす防壁の補強装置だそうだが、
「レンガを詰んだ防壁を馬でひかせて丸太で動かす」って噴飯物の子供だまし。
確かに家や城ごと枕木に乗せて動かす曳家って技術は存在するけど、それって移動にどれだけ時間かかると思ってんの?
何より積んだばかりのレンガ塀を移動させるとか、モルタルで突っ込んできた破城槌を固めてしまえとか、固まるまでの時間舐めすぎ!

セメントやモルタルって固まるまでに5、6時間かかるけど、
その間ずっとブルドゥース人は待っててくれたのかよ?

その補強装置ってのは9m×9m×(高さは明記されてないが破城槌の荷台の高さだけでも最低でも50cmとあるので)50cm=9m立方の容積の中に、単位体積重量2.14t/m3のものを流し込んで、できたてのレンガ塀が9*2.14=19.26トンもの横からの荷重を支えられるとでも?
ルーネル・ヨンソンの主張通り、ブルガリア人のレンガの強度が大理石並だったとしてみよう。
しかし、硬度は全くこの場合意味をなさない。
だって地面の上に置いてあるだけの塀なんて板だろうか石塀だろうが関係ない。
モルタル流し込んだら逆に必ず倒壊する。
何故ならば動ける壁=基礎工事がされていないからである。
ブロック塀などはちゃんとした工事なら鉄骨を入れてそれを基礎に刺してあるから「倒れにくい」のだ。
どんなに強度があろうと詰んだだけのレンガで、丸太で移動可能=基礎工事をしていない壁の中に約20トンの液体を流し込んでみよう。何が起こるかはどんなお馬鹿さんでも解ると思う。

何より攻城戦で破城槌を使う対象は普通は門だよね。
出入りできない所で暮らしてる筈もないから、門が無い城はないし。

進撃の巨人 ねんどろいど 超大型巨人 & 進撃のプレイセット (ノンスケール ABS&PVC塗装済み可動フィギュア)
進撃の巨人 ねんどろいど 超大型巨人 & 進撃のプレイセット (ノンスケール ABS&PVC塗装済み可動フィギュア)

ということで、オツムの足りないルーネル・ヨンソンがたてた作戦だと確実に失敗するので、ビッケとフラーケ族は皆殺しだな。

そして現代チートや、お粗末な自作アイディアの後はウルメにさとすように言ってもらえば

>「アイディアを盗用したってことになるな」


アカイア人もアイディア泥棒の作家に非難されるいわれはないだろうよ。

そして、作家として。
ゴルムと類されてはいる力持ちの筈が名前だけで何ら活躍しなかったブレーデ。
流石にわざとやってるんだろうと思ったが、ラスト近くで遂に行動をしてしまった。
こういう点でも、作家の表現としてすらもブレブレなんだよ。


最悪なのは後書きがまた上辺だけの偽善だけが伝わる。

敵で出てる悪党がこらしめられた後は幸せに暮らしましたってのを

>すばらしい点のひとつ


とか言ってるが、

スベルケルは殺人を繰り返していた事が書かれているし、その恨みへの復讐をビッケが恐れていた事も作中で書かれている。
ブルレットも幼少期から責任転嫁やワガママでの迷惑を周囲にずっとかけてきた人物と書かれている。
なのにソイツラが頭をぶつけたり、贈り物=贈賄した程度で幸せに暮らしましたってのは、
家族を殺された被害者側の事とかを完全に無視してる偽善だよね?!
(どんな人でも生死離別は別にして両親にあたる存在は居る訳だし。)

これを子供が読んだら「後で謝罪したフリでもすれば何やってもいい」って風に受け取る可能性については考えない大人はフラーケのバイキングよりもバカだと思う。

この本は児童書として明らかに不適切だ。

原作を程良く無視してるアニメ版の方を強くお勧めします。

小さなバイキング ビッケ DVD-BOX II
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悪役ブルレットがブルーレットってなっててトイレの芳香洗剤みたいになってるけどW

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2017年10月08日

「ビッケと弓矢の贈りもの」偽善と心根に潜む差別

ビッケと弓矢の贈りもの (評論社の児童図書館・文学の部屋)
ビッケと弓矢の贈りもの (評論社の児童図書館・文学の部屋)

冒頭から違和感がひどい。

急に雲や風を擬人化したばかりでなく、ビッケと雲や風が会話しだして、
挙句がアザラシのヤルマルやフルダともビッケは言葉でコミュニケーションしてしまっている。だったら水上スキーしてた段ではなんでできなかったんだ?
普段から気象とコミュニケーションできるならば船の推進力を借りたり、荒れ海とも交渉できる事で事故を避けられそうなもんだが?

作者のオツムのレベルを超えた頭のいいキャラはできない訳だから、ビッケの知恵は全て他所からの借り物=パクリで、作者のルーネル・ヨンソンは論理思考能力もロクにないってのがあまりに明確になってしまっている。
塗り固めた嘘を紡ぐと必ず破たんするように出来てはいるし。
そもそもフィクションだけどこれは子供でもガッカリするレベルだろう。

イメージを自ら破壊してイメージチェンジしようとして大爆死する自称アーチストとか、自称クリエイターっているよなーと。
まあ気分で色々したいから月給を稼ぐ仕事でなく物書きとか絵描きやってるって人も多いだろうけど。
当時の外国ですら編集者というものが全く機能していない事も判る。
古今東西、肩書きに書いてある仕事すらもしないのなら本来は給料も要らないだろうって事だ。

ところが唐突にこの巻だけ幼児に媚びるかのような設定変更をしてたのに、それももう中盤には完全消失する。
元インカ人のビンカ人と設定されている人々は、フィクションとしての開き直りは妙な偏見への気遣いだかは判らないけど、

人か野獣か?!密林から来た凄い奴!
人か野獣か?!密林から来た凄い奴!

「ニュース版」ではスポーツ欄、新しい料理の家庭欄、言いたい事を載せる投書欄、おもしろい話が載る(コラムとかの事?)なんでも欄は人気なのに、酋長たちは所謂、政治欄が不人気なのが気がかりとか、これまた唐突に大人向けの皮肉を入れている。
だからトータル的な印象がバラバラだ。

子供に解りやすいメルヘン作品があっても当然構わないと思うし、
大人が読んでクスリと笑える深い童話があってもいいだろう。
でも、それを同じ作品、しかも読み進めて繋がってるのの中でやっちゃあダメだ。
やりたいなら別の本でやれ!って話で。


フラーケ族についてはゴルムが力持ちの上に大男で、チューレが嫌な奴ってキャラ立てはどんどん深まってきたが

>それにブレーデも!

とまで書いてありながら、作中ではほぼ何もしない空気キャラに名前って要るのか?W
P,147にはゴルムに比類する位の勇士らしいことが書かれていrけど、全く活躍せず、
ビッケのアイディアを聴いて面白がって地面にのびただけ…。
要るの?


一方でスベンの部下には綽名を含めて10人以上が名前を貰って戦った様子が個々にある。
そういう無意味な事に力を入れる事で印象付ける技法もゼロではないけれどもね。

そしてバイキングの名前と言えばレイフ・エリクソンが書いてあるわけだが、

エレール 1/60 レイフ エリクソン & ソルフィン カルルセフニ 帆船2艘 プラモデル FF0853
エレール 1/60 レイフ エリクソン & ソルフィン カルルセフニ 帆船2艘 プラモデル FF0853

後書きに翻訳者は

>アメリカ大陸を発見


とか書いちゃってる後に平然と

>おたがいによい影響をあたえあいます。これがほんとうの国際交流だとおもいませんか。


だの歯の浮くような綺麗事まで書いてやがる。

「元々、人が住んでいた所」を「発見」だの平気で書くような白人至上主義者が何言ってんだと!

偽善を塗り固めようとする心にもない嘘っぱちはこうやってボロが出るんだよ!

そして、評論社の編集も機能してないから、児童書としてそういう差別を平然と行ってる感覚で自然と差別主義者から出た言葉を掲載して印刷して金までとって売ってる状態な訳だろ。

異常な言葉に違和感を持たない差別主義者かどうかはTwitterだけでなく、書籍も普通に発見機として機能するってもんだ。

ビッケと弓矢の贈りもの (評論社の児童図書館・文学の部屋)
ビッケと弓矢の贈りもの (評論社の児童図書館・文学の部屋)

posted by wolf_howling at 12:18 | Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月04日

ビッケと空とぶバイキング船 

ビッケと空とぶバイキング船 (評論社の児童図書館・文学の部屋)
ビッケと空とぶバイキング船 (評論社の児童図書館・文学の部屋)

会話が多いと文字数少なくても行数は増えるからか、ページ数稼いでるんじゃねえの?って位にくどい所もこの巻は多い。

子供向けの平易な書き方にしてるのに、これだけくどくどしい感じがするのは、リフレイン技法というよりも下手くそかよって感じを受ける。


原作とアニメ作中のフラーケ族の比較だが、
原作側で力持ちとされているゴルムの役回りがアニメ版だと大きなファクセがしていた活躍にあたるような気もする。

TINY HUGE LINE 小さなバイキング ビッケ 第1弾 ビッケ/ウローブ/ファクセル (ノンスケールソフトビニール塗装済み完成品)
TINY HUGE LINE 小さなバイキング ビッケ 第1弾 ビッケ/ウローブ/ファクセル (ノンスケールソフトビニール塗装済み完成品)

アニメのゴルムは「かーんげきー!」って口癖のキャラだし。
原作のウルメは敵として出てくる王にたいしてゴマすりな詩を詠んでおだてる事などで活躍したりはしてる。

オーガニック TINY HUGE LINE 小さなバイキング ビッケ 第3弾
オーガニック TINY HUGE LINE 小さなバイキング ビッケ 第3弾

原作のチューレはビッケやハルバルの批判もするけど自分で代案を出せないタイプの人間として描かれているが、アニメ版ではチューレと仲が悪くてケンガばかりしているスノーレの方が滝口順平さんの声でチクチクと嫌味を言ってた印象もあるので、コレもキャラが逆転している感じがある。
原作のスノーレはビッケの親友でピンチを体力側で救ったりもしてる。

TINY HUGE LINE 小さなバイキング ビッケ 第2弾 チッチ/スノーレ/チューレ (ノンスケールソフトビニール塗装済み完成品)
TINY HUGE LINE 小さなバイキング ビッケ 第2弾 チッチ/スノーレ/チューレ (ノンスケールソフトビニール塗装済み完成品)

原作ではブレーデって名前のついてるフラーケ族が出てきてるけど、アニメにはレギュラーキャラでは存在しない。原作側も少なくともこの巻までの間では二言台詞があるあけで、ほぼモブ。

ビッケと空とぶバイキング船 (評論社の児童図書館・文学の部屋)
ビッケと空とぶバイキング船 (評論社の児童図書館・文学の部屋)

posted by wolf_howling at 13:04 | Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月01日

ビッケと赤目のバイキング

ビッケと赤目のバイキング (評論社の児童図書館・文学の部屋)
ビッケと赤目のバイキング (評論社の児童図書館・文学の部屋)

学研版の「小さなバイキング」は大昔に読んだんだけど

小さなバイキング (1967年) (少年少女・新しい世界の文学〈1〉)
小さなバイキング (1967年) (少年少女・新しい世界の文学〈1〉)

評論社が復刊したあと、全六巻で出したのがある事はしってたけど、読みそびれてたのをふとした機会で見つけて読んだ。

短い話を複数収録してる形式なんだけど、章の見出しによって、複数の章で一つの話だったり、1つの章だけだったりバラバラなのは原作がそうだから?
学研の方はそんなよみづらい構成や章立てでなかった気もするんだけど。

ページ数の関係でだかは知らないが、ラストに短い話をねじ込んでる構成だと、ラストが一番盛り上がらない小話って事になる。

でもまあ話や言い回しが面白いので、そんなには気にならないけど、一般的にはちょっと違和感がある構成だなと。
巻末に売れなかった読み切りだのをねじ込む事でページ数を稼いでる昔の少女漫画単行本とか思い出す。

素で笑ったのはハルバルの弟が鬼嫁にイビられてて、怒ってテーブルを叩こうとしたところを引っ込められて腕を折ってしまった後に、

>フラーケの女の人だったら、テーブルをひょっとどかすなんてことは、けっしてしないにちがいありません。

かのじょたちは、おこって、刃物を持ち出すかもしれないし、パンを焼くときに使う棒や、バーベキューに使う鉄のくしを使う事はあるかもしれません。


って、そっちのが刃傷沙汰だよ!WWW

原作読んでみて驚いたのがアニメOPテーマの「ビッケは小さなバイキング」の2番で、
スベンはいいけど、スベルケルって誰よ?って思いながら長年、カラオケで歌ってたのだが、

>ビッケは小さなバイキング 栗葉子/ザ・バイキング 歌詞情報 - うたまっぷ
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=T00438

この本で「ダブリンのスベルケル」ってのが出てきて「お前かよ!」って長年の謎が解けたW

ZUIYOアンソロジー
ZUIYOアンソロジー

それとハルバルのセリフに

お前が考えると、火花がとびちるところを見せてやるがいい


ってのがP.200書いてあって、原語ではどういう記述なのかは知らないが、アニメも実写もCG版も例の一頻花の下を人差し指でこすった後に「そうだ!」ってアレはこのことだなと。

多くの方々がそうであるように私もビッケをアニメから認知した訳だが、フラーケ族の面子は2巻目になったらボチボチ出てきてる感じだけど、アニメの印象が強すぎで逆に違和感がW

アニメ版だと滝口順平さんが声をあててたスノーレが原作では副官なのね。
チューレといつもいがみあってケンカしてるイメージしかなかったW

ウルメは此方でも詩人だけど。

一番印象が違うのがゴルム。
勇者のゴルムって書かれてるけど、イメージかわかない。
だって「かーんげきーーー!」って八代駿さんの声で言ってジャンプして足の裏同士をパチンと打つってあのリアクションの印象が強すぎる。実写映画版でもやってた位だし。

実写版や3DCG版ですら彼らは関修一さんがキャラクターデザインしたのを踏襲してる見た目で、行動もそう。

小さなバイキング ビッケ DVD-BOX1
小さなバイキング ビッケ DVD-BOX1

小さなバイキング ビッケ [DVD]
小さなバイキング ビッケ [DVD]



実写版は特殊メイク使ってまでアニメのキャラデザインに似せてるからね。

原作側の脇役たちは、名前はあるけど挿絵でも見た目の区別つかないもの!

ビッケと赤目のバイキング (評論社の児童図書館・文学の部屋)
ビッケと赤目のバイキング (評論社の児童図書館・文学の部屋)

posted by wolf_howling at 22:51 | Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月21日

アラビア物語〈4〉ジュハーおじさんのお話 (講談社 青い鳥文庫)

アラビア物語〈4〉ジュハーおじさんのお話 (講談社 青い鳥文庫)
アラビア物語〈4〉ジュハーおじさんのお話 (講談社 青い鳥文庫)

既に同じ底本だかの既刊があるとはいえ、

>アラビア物語〈2〉ジュハーおじさんのお話 (講談社 青い鳥文庫)
http://read.seesaa.net/article/453501901.html

アラビア物語〈2〉ジュハーおじさんのお話 (講談社 青い鳥文庫)
アラビア物語〈2〉ジュハーおじさんのお話 (講談社 青い鳥文庫)

この本の殆どが「わがままな王と、それを諫める農夫や裁判官とかの話ばっかり」で、もう少しバラエティに富ませたピックアップをするって「編集」とかは機能しねえもんかねと。

全4巻で、何故か「みどりの文庫」と「ジュハーおじさんのお話」を互い違いに偶数奇数巻で出す意味が解らねえ上に、先をどうするって全く考えてないでやってるから似たような話ばっかりなんて採話になるんだろと。

しかも、この巻でも翻訳でなくて不自然極まりない創作改変をしてると思しい箇所だらけなので、猶更行き当たりばったりで底本に対しても失礼極まりない事をしてると思う。

しかも最終巻のラストの話が「猿の生肝」類話って・・・。

猿の生肝―土佐の昔話 (1976年)
猿の生肝―土佐の昔話 (1976年)

クラゲは出てこないので「くらげ骨なし」にはならないものの、亀の甲羅の話とか妙な改変してるせいで全然ないし。

まんが日本昔ばなし 「クラゲの骨なし」/「おさん狐」
まんが日本昔ばなし 「クラゲの骨なし」/「おさん狐」

多分に成立年代が3世紀と更に古いインドのパンチャタントラから、アラビアや日本に伝播したのだろう。

パンチャタントラ物語―古代インドの説話集
パンチャタントラ物語―古代インドの説話集

ともあれ、本来の目的は、この訳者と称する創作屋でなくて、天野喜孝の挿絵だった訳だけど、
89年で90年になる前位が、雑な絵も少なくて天野喜孝のイラストは一番良い時期だったんだなというのは判った。

これでこのシリーズを読む苦行も終わり!(苦笑)

天野喜孝名画ものがたり 眠れるレタス姫
天野喜孝名画ものがたり 眠れるレタス姫

posted by wolf_howling at 04:50 | Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月18日

アラビア物語〈3〉みどりの文庫 (講談社 青い鳥文庫)

アラビア物語〈3〉みどりの文庫 (講談社 青い鳥文庫)
アラビア物語〈3〉みどりの文庫 (講談社 青い鳥文庫)

前巻レビューで

>アラビア物語〈2〉ジュハーおじさんのお話 (講談社 青い鳥文庫)
http://read.seesaa.net/article/453501901.html

>区別するためのサブタイだろうに、サブタイが全く同じものなんて、この世に存在させていいのかよ!


って書いたが、これも1巻と同じサブタイじゃねえか。

>アラビア物語〈1〉みどりの文庫 (講談社 青い鳥文庫)
http://read.seesaa.net/article/452961689.html

ソースを明示する意味なら、1巻おきに互い違いに別の原作にする意味も全くわかんねえし。
ホントに訳者と称する作者と編集者は碌に仕事してねえな。


「火打ち石は恋の魔術師」
なんだこのダサいラノベみたいなタイトル。センスねえ!

この話ってアンデルセンの「火うち箱」まんまで、実際アンデルセンの方がパクってるんだけど、

火打ち箱 (こんなアンデルセン知ってた?)
火打ち箱 (こんなアンデルセン知ってた?)

考えるにアラビア語の原本が存在しない事でアラビアンナイトに厳密には含まれない「アラジン」についても、元々はこの話が底本なのかもしれない。

アラジン ダイヤモンド・コレクション MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
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「王子マンスールと孔雀の女王の物語」

「の物語」って要るか?センスねえ!

この話から想起したのは羽衣伝説と

羽衣・竹取の説話 (総研シンポジウム)
羽衣・竹取の説話 (総研シンポジウム)

「鶯長者」や「見るなの座敷」だ。

みるなのくら (日本傑作絵本シリーズ)
みるなのくら (日本傑作絵本シリーズ)

wikipediaには

>東日本に多く分布する話だが、あらすじには土地ごとに若干の差異がある。上記のものは越後地方で最も一般的な話であり、これが原型とされる


だの書いてあるが。

>見るなの座敷
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%8B%E3%82%8B%E3%81%AA%E3%81%AE%E5%BA%A7%E6%95%B7

日本の謎と不思議大全 東日本編 (ものしりミニシリーズ)
日本の謎と不思議大全 東日本編 (ものしりミニシリーズ)

これは多分にアラブだか何処かの海外にあった話がシルクロード流入したんじゃねえの?
日本の国内だけで情報分析が完結するとでも思い込んでるんじゃねえの?

マンスールが魚や狐や鷲を助けて、恩返しで助けてもらうくだりはグリム童話の蜜蜂の女王を思い出す。

>ミツバチの女王
http://hukumusume.com/douwa/pc/world/09/13.htm

多分にこれも比較神話学でジョゼフ・キャンベルの主張する同時多発的なものではなく、多分に伝播したと考える方が自然だろう。

神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

何より、大国主と因幡の白兎や、スサノオに放火された際の鼠の「内はほらほら、外はすぶすぶ」とか、スサノオが寝てる間にスセリビメを連れ帰るくだりとか、魔人を酔わせて姫を救い出すくだりとか諸々がもうね。

ナムジ―大国主 (1) (中公文庫―コミック版)
ナムジ―大国主 (1) (中公文庫―コミック版)

「死の網」
これはひどい!

作中でこの訳者を名乗る改悪者はアラーアラーと書きまくりだが、一神教の筈なのに、
誕生の神バラフマー、その妻サビトリ、死の神ヤーマーが出てくる。

これってヒンドゥー教のブラフマー、サラスヴァティー、ヤマじゃねえか!

つまりはインド神話の話なのだ。それを無理やりにコーランだなんだって、誰の目から見ても破綻してる。

薄っぺらい上辺だけの矛盾しまくりの文章で誤魔化せるとでも思ったか?

あまりにもあさはか!!!

インド神話―マハーバーラタの神々 (ちくま学芸文庫)
インド神話―マハーバーラタの神々 (ちくま学芸文庫)

posted by wolf_howling at 02:01 | Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月16日

アラビア物語〈2〉ジュハーおじさんのお話 (講談社 青い鳥文庫)

アラビア物語〈2〉ジュハーおじさんのお話 (講談社 青い鳥文庫)
アラビア物語〈2〉ジュハーおじさんのお話 (講談社 青い鳥文庫)

日本で言う一休や彦一とか吉四六みたいな頓智話っぽい要素も少しある感じ。

一休さん (寺村輝夫のとんち話 1)
一休さん (寺村輝夫のとんち話 1)

彦一とんちばなし(上) (偕成社文庫2040)
彦一とんちばなし(上) (偕成社文庫2040)

吉四六さん (寺村輝夫のとんち話)
吉四六さん (寺村輝夫のとんち話)

だけど、例によって訳者と名乗る人の改変が酷い気がする。

「金のガチョウ」という話は頓智に加えて、説話集の要素もあり、その中の一つに海の中の精霊たちが暮らす宮殿で女王と楽しい時を過ごすが、陸に帰りたくなって・・・という、言うまでもなく浦島そっくりな話がある。

海の声
海の声

「はじめに」の項目で「ジュハーおじさんは7世紀の人物」と説明直後に「ジュハーおじさんが急行列車に乗った時の話」を事例にして現代含め時代ごとの話が混じっていると説明がされているが、
これは日本書紀の浦嶋子の話がアラビアまで伝わったのだろうか?
それとも日本書紀は720年、つまり8世紀の初めに成立したものなので、7世紀中頃のイラクのクーファから、シルクロードを経て既に日本に伝わっていたのだろうか?
(他所の場所を開始点とした古い話で、日本とイラクにそれぞれ似たような時期に伝わったものなのかもしれないが。)

日本書紀〈1〉 (岩波文庫)
日本書紀〈1〉 (岩波文庫)

「ファルークのろば」という話が如何にもとってつけな改変っぽいラスト。
笑いを誘う為の粗忽話なのに、唐突に神罰とか馬鹿じゃねえの?
だったら、再犯する前に事前に対処する能力もない無能な神様って話になるだろ。
論理思考能力が備わっていれば子供にも判る。
つまりに、子供向けの本としながら、訳者と称する作者と編集者の論理思考能力は、普通の子供にも劣るんじゃねえの?

「ハウハウ物語」
これ昔も今も裁判が関わってキチガイなら無罪みたいな対応自体が愚かだって証拠だよなー。
作中のジュハー曰く、キチガイのふりして借金を逃れようとしてる奴より、それを吹き込んだお前が悪い!って指摘。
統合失調症のフリしろとか吹き込んで、責任能力がないだの主張する弁護方法とか、ホント糞すぎる。
そういう汚い罪状逃れを使用とする奴も一緒に、この説話みたいに残りの人生をずっと犬扱いで構わねえと思う。

ただ、この話のオチも改変されてる可能性が強い気もするけどな。


「マラードカは半人前」
多分にアラジンの話の成立以降にパロディとして書かれたものだろう。

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笑い話としてもそれなりに描写が面白い。落語みたい。
ただ、自称訳者の雑さや自称編集者が仕事してなさが細々と見えてイラつく。
貧しい主人公が光源としてランプを使ってる描写をした次のページで光源が蝋燭になっている。
記憶力どうのってレベルじゃなく、現に書いてあるページの隣に文字となってる形で、全く一貫性がない事に普通の感覚があれば気づくというか、違和感あってアタリマエなレベル。

そして、作者も編集者もサボりすぎだろと思うのは、全4巻のこのシリーズの4冊目のサブタイも「ジュハーおじさんのお話」なのだ。
区別するためのサブタイだろうに、サブタイが全く同じものなんて、この世に存在させていいのかよ!

アラビア物語〈4〉ジュハーおじさんのお話 (講談社 青い鳥文庫)
アラビア物語〈4〉ジュハーおじさんのお話 (講談社 青い鳥文庫)

posted by wolf_howling at 05:07 | Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月13日

遠野物語 (まんがで読破) 文化の良し悪しとか何様?

遠野物語 (まんがで読破 MD126)
遠野物語 (まんがで読破 MD126)

まんがで読破シリーズは、どれもマンガとして下手くそなのばっかりだけど、
一番酷いのは「孫子の兵法」にせよ、

>孫子の兵法 (まんがで読破) 古典と全く無関係なデタラメ中華風の妄想マンガ
http://read.seesaa.net/article/452761813.html

このマンガも最後に精神論になっちゃう辺りは、なんか請け負ってるマンガ家が皆、精神的に病んでるの?って思うレベルで頻度が高い。

何でこのシリーズは無理に一本の話でマンガにしようとするのかね?

P.76右下の「あおり」が全く描けてない事から、作者は実物じゃなくて絵を見て絵を描いてる人って事はわかる。

そして、その隣のページの記述だけど、俺も一応、頭に白髪も少し混じっては来る年齢だけど、俺がガキの頃の関東の親戚が暮らしてる千葉だの山梨だのの田舎でも、泥鰌やコイとか普通に近くの田んぼや水路でとってたもんだけどな。ザリガニをバケツ一杯とったら、婆さんが「天婦羅にしようか?」っていったりとかもな。(流石に食べなかったが。)
だから若い人が描いてるんだろうってのも判る。

一番酷いのはラストで「文化の良い所、悪い所」って言い方をしちまってるところ。

文化ってのは良し悪しじゃねえだろ!

このマンガが技法的に下手くそって批評と、とにかくマンガは悪書だから焼けってのは全然違うだろ?

単なるファンタジーものとしてなら中途半端な作品ながらも、こじつけようと努力はしてる感はあるけど、伏線の見せ方とか、夢オチとか、挙句に精神論に加えて文化に善悪とか、いいかげんにしろと。

これも遠野物語って冠さないで、下手くそな独りよがりのファンタジーマンガとしてチラシの裏として勝負しろよと。
柳田國男や佐々木喜善に対してあまりに失礼じゃね?

やっぱ「本物のプロのマンガ」の方を読む事をお勧めする。

水木しげるの遠野物語/水木版妖怪大戦争 (水木しげる漫画大全集)
水木しげるの遠野物語/水木版妖怪大戦争 (水木しげる漫画大全集)

posted by wolf_howling at 13:17 | Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月25日

アラビア物語〈1〉みどりの文庫 (講談社 青い鳥文庫)



1984年のムフシン・マフディーの研究で明確にされたが
アラジンと魔法のランプ、
シンドバッドの冒険、
アリババと40人の盗賊、
空飛ぶ絨毯、
などはアラビア語写本が存在しない。
つまりは原本のアラビアンナイトには含まれていない。
フランス人のガランが千夜一夜物語=1001話に無理やりするために、別の話を無理やり混ぜたものというのが現在の専門家の通説だ。

The Thousand and One Nights
Posted with Amakuri
Muhsin Mahdi
Brill Academic Pub


だが川真田純子が講談社 青い鳥文庫で「アラビアンナイト」と称していたものを出しだしたのが1987年。



事前に準備をしている期間もあっただろうから引っ込みがつかないからか、そのあと死ぬ前年の1992年まで7冊をアラビアンナイトと称して出してた。



とはいえ、アラビア語も数語しか知らない俺でも、それは変だろうと思うわけだから、
そのまま何でもかんでも混ぜて出すのはマズイって事は「専門家」なら普通は思うはず。

だからか知らないが、この本はアラビア物語と称して1989年に出していて、ソースも「みどりの文庫」という「アラビアンナイトは別の物語集」とソース明示をしている。

「髪の木」はしゃべる鳥に呪われて長い金髪が抜けだし、そよ風が吹くのにも怯える事になる女王の呪いをとく話。その描写からして、やはり「翻訳」ではなく川真田純子の「脚色」が非常に強い感じが解る。

「知恵の糸」に関しては翻訳者の論理思考能力が問われる位に酷いお粗末で、理屈が通っていない。
この翻訳版と称しているものだとスカラベに細い糸、アリに絹糸をそれぞれ結び付けている。
が、そうしたら2本の糸が塔の上部に到達する流れだけど、別に絹糸→木綿糸→ロープって切り替えて引っ張り上げるだけだったら絹糸1本が最上部までゴールすればいいだけだよな?
スカラベから糸を受け取ったって書いてあるが、アリの方に下から結ばせた糸には何の意味が?そして何処に消えちゃってんの?と。
これ訳者がまったくパズル的な思考ができてないで出鱈目に訳して子供に読ませる本にしてるし、挙句は編集者も明らかに変な事に気づかずに放置して販売してるって誰もマトモに仕事していないな。

知恵がない誰かさん達に代わってトリックを解き明かすに、
多分に準備したのは
・蜜を塗ったスカラベ、
・絹糸を結んだアリ、
・絹糸に結ぶ木綿糸、
・木綿糸に結ぶロープ
だろう。

蜜を塗ったスカラベは下からアリに追い立てられるので上へ上る。
絹糸を結んだアリは蜜(とスカラベ)を追いかけて上へ上る。
後は絹糸→木綿糸→ロープの順に手繰ればロープを塔の最上部に到達させられるってトリックだろ。
だから

・アリが絹糸を運んでくるならスカラベには糸を結ぶ必要はない。
・アリに追われたスカラベに糸を引かせるのならアリに結ぶ必要はない。


という事に普通のオツムがあれば気づくだろ。

多分に「小さくて力の強いアリに運ばせる案」の方が元の童話なのだろうが、
この訳者と名乗る作者は、到達したのがスカラベの方が見栄えがすると思ったのだろう。
かくてこの話だと糸は2本しか準備させてないのに、何故かそれぞれ2本とも塔の上に運ばせてしまっている。
意味ねえ!
ばっかじゃねえの?

ちゃんとした読解力があって正しい内容を把握できる翻訳能力がないのではないだろうか?
もしくは例え小さな子供でも論理思考能力さえあれは「内容がおかしい」事に気づくのに、原稿にして活字にして印刷して店頭に並べ販売してたわけだ。
そんなのを子供に読ませるだって?
何考えてんだ講談社?何も考えてないとしか思えない。


この頃の天野喜孝の挿絵は美しくカッコイイのや、綺麗で丁寧な作品や、可愛らしいタッチのバリエーションもあって良いだけに、非常に勿体ない。


「レモン娘」は、なりすましの話なんだけど、これ多分、川真田純子がラストは改変してんじゃねえのかな?
というのも魔法でこの見た目にされたといって姫と入れ替わった女が嘘を言ったものを「焼き殺せ」と言って「お前自身がそうなるのだ」って言われる下りの意味が通らない。
というのもイスラム教では火葬されただけで地獄行きとなる教えがあるので遺体は保存する。
なのでイスラム圏で「火刑」にしたとすれば死刑の中でも非常に重い罰し方なのが俺は判る。
なのに、この本の冒頭にコーランについてどうのまでかいておいて、そこをぼやかした挙句、助命までしてしまっている。

なりすましと厳罰での死罪というと簡単に想起できるのがグリム童話だ。



中でも「ガチョウ番の娘リーゼル」の内容が似ている。
王女になりすました侍女は自らが提案した罰で処刑される。

>がちょう番の女
https://www.grimmstories.com/ja/grimm_dowa/ga_choban_no_onna
>すっ裸に服をはぎ、中にとがった釘をうちこんだ樽にいれ、その樽を2頭の馬につなぎ、死ぬまで、あちこちの通りを引きずりまわす


これを子供向けの編集とみるか、宗教観についてわざわざ説明した挙句での身勝手な改ざんとするかってのはあるが、唐突過ぎて子供が読んでも違和感あるだろ。
むしろカタルシスもねえし、グリム童話の側程には日本人の子供達にとってもエグくはねえだろ。

グリム童話といえば、この本に収録されているのに似てるのが他にもある。

「グールの毛」という話がグリム童話の「金の毛が3本生えた鬼」や「怪鳥グライフ」だ。

>金の毛が3本生えた鬼
https://www.grimmstories.com/ja/grimm_dowa/kin_no_ke_ga_oni



>怪鳥グライフ
http://www.ab.auone-net.jp/~grimms/grimm125/griffin.html

怪鳥グライフの方は明らかに本来2つ以上あった話をくっつけたであろう、小人は何処行っちゃったの?って展開なのと、怪鳥グライフ=グリフォン、グリフィンの奥さんが人間(もしくは魔女?)なのは違和感ありまくりなので、多分にドイツに話が持ち込まれた際に人食い鬼のオーガや巨人をドイツ人にとってもっとインパクトがあるモンスターであるグライフに伝承されるうちに変化させたのだろう。
アラビアのグールの側は後だったか先だったかはもっと数多くの類話を集めて比較してみないと解らないが、D&Dなどではアンデッドとされているもののグールは元々のアラビアの伝承では変身が行える魔物で人に化けて人を襲って食べたりするものではあるものの「金髪」ってのを強調してある所に違和感がある。

ダンジョンズ&ドラゴンズ モンスター・マニュアル第4版 (ダンジョンズ&ドラゴンズ基本ルールブック)
Posted with Amakuri
マイク ミアルス, スティーヴン シューバート, ジェームズ ワイアット
ホビージャパン


アラブ人は白人の奴隷も使っていたし、中には金髪の人もいただろう。
とはいえ、幾ら変身可能な化物であるグールにせよ、金髪グールにはやはり違和感があるので、
多分にヨーロッパの何処かにオーガを元にした話側が先にあって、それがドイツに入ってグライフになり、アラビアではグールとされたのではなかろうか?


posted by wolf_howling at 03:05 | Comment(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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